『Answer』リリースインタビュー

J☆Dee'Zはなぜ“本格派”グループへと変化したか? メンバー・スタッフに訊く「武者修行」舞台裏

 

「J☆Dee'Zは全員負けず嫌いなので(笑)」(Nono)

ーーNY武者修行に持って行った新曲「Answer」は、欅坂46などのコレオグラフを手がけるTAKAHIROさんが振付を担当し、ボディーパーカッションを取り入れた大胆なパフォーマンスも見どころです。極寒のNYでやるには中々ハードだったのではと思うのですが。

ami:確かに辛かったです(笑)。あと、私たちはダンスにおいて、これまでしなやかで美しい動きを重視してきたのに、今回は手足をバタバタと力強く鳴らすということで、最初は戸惑いましたが、揃った時の気持ち良さは段違いなんだと気づきました。NYでは、立ち位置の関係でメンバーの顔や動きが見えなくても、ストンプの音で「あ、いま振り付けが揃ったな」と感じるし、辛い環境でも一体感の強さが支えになりました。

Nono:ストリートで使っているスピーカーだと音が小さいので、自分たちの声や体を叩く音、足音が頼りだし、だからこそリアルタイムでシンクロしている感じが心地よかったですね。

MOMOKA:逆に、合わなかったときの気持ち悪さもすごくありました。最初の振り入れのときは本当にバラバラだったので、何度もなんども練習したんです。路上だったら足を踏む音が聴こえないこともあり、NYでは靴にタンバリンを付けてパフォーマンスしていました。

ami:練習しすぎて、体を叩くのに制御が効かなくなってしまった結果、普通の拍手もかなり大きなものになってしまいました(笑)。

ーーボディーパーカッションダンスは画的にもかなり映える振付ですが、これは映像ありきのアイデアなのでしょうか?

松川:映像ありきではなく先に振付が先行していましたが、TAKAHIROさんとメンバーで一緒に振りを考えて頂くなかで、レッスン場に丸山健志監督と伺って、NYでストリートパフォーマンスする場合、パフォーマンスする際に背に壁がある状態とも限らないので、その場合のアレンジ方法などは相談させてもらいました。ただ、駅の改札前など、想定以上に色々な場所のケースがありましたので、現場でメンバーたちが自らアレンジを加えてパフォーマンスすることが多かったですね。

ーー様々なアーティストの映像を撮影されている松川さんから見た、J☆Dee'Zの魅力とは?

松川:今回改めて感じた所でいいますと、いい意味でオンオフがないこと、ですね。多少なりともオンオフがある人がほとんどだと思うのですが、彼女たちはすごく努力家で、それは裏でも表でも同じなんです。それを見た我々スタッフ陣も心を掴まれて、「一緒に頑張ろう」という気持ちが強くなりました。あとはなにより根性がある。他のアーティストだったら弱音を吐いてもいいくらい過酷な環境でしたが、一切そんな素振りを見せなかったんですよね。

Nono:J☆Dee'Zは全員負けず嫌いなので(笑)。

ami:自分で自分を追い込んでも、周りに人が集まるわけじゃないですしね。

ーーオンオフがないということですが、今回の映像を作成するにあたって「面白かったけど時間の都合などで入れられなかった」というシーンはありましたか。

松川:いえ、今回はすべて全部出しつくしました(笑)。良い意味でカッコつけていない、ありのままの姿が映し出されていると思います。彼女たちから感じたものを僕らもしっかりと反映させようという一体感が映像スタッフの中でも間違いなく生まれていましたので、(メンバーの)武者修行での出来事を、全て映像コンテンツに落とし込み、皆さんに見て頂きたいと思い、ドキュメントMVやBackground Story(密着ドキュメント)に全て盛り込みました(参考:GYAO! J☆Dee’Z 「Answer」(NY武者修行ドキュメンタリーMV))。

ーーありのままの自分たちを出せたのは、ストリートの人々が正直な反応をするぶん、素直になりやすいという環境の後押しもありましたか?

ami:そうですね。ダメだったら鼻で笑われたり、こっちを全く見ずに携帯に目を向けたり。でも、やり方を少し変えたら2秒くらい見てくれたりと、少しずつ変化していきました。

MOMOKA:終わった後に話しかけてくれる方もどんどん増えてきて、自分たちで作った看板に「これ(SNS)やってるの?」と興味を持ってくれたり。自分たちのパフォーマンスが通用したと確信したわけではないですが、少しでも伝わったのかなと感じて、頑張るパワーになりましたね。

ーーその積み重ねが最終日のタイムズスクエアに活きたわけですよね。多くの人がパフォーマンスを見守るという感動的な光景が見られたわけですが、撮影している側として松川さんの目にはどのように映っていたのでしょうか。

松川:沢山の方に集まってほしいという気持ちはありましたが、あんなに集まるとは想定していなかったです。女の子3人組が極寒のなかで薄着で踊っていたので、それが目立った一因でもあると思うのですが、なによりパフォーマンスですよね。短い期間で彼女たちが吸収し、歌、パフォーマンスを見て欲しい!届けたい!という気持ちがパフォーマンスに表れていたと思います。「こうなればいいね」と言っていたことが具現化されて、本当によかったと思います。タイムズスクエアのメインエリアで撮れたのは1テイクのみなので、そういう部分も含めて、彼女たちの努力が引き起こしてくれたのかもしれません。

ーーJ☆Dee'zとしてはどうでしたか?

ami:タイムズスクエアに着いて、10分も経たないうちにライブをやりましたね。

Nono:でも、パフォーマンス中からどんどん人が集まってくれて、その光景がちょっと夢みたいで信じられなくて、どこかふわふわしてたんですよ。でも、パフォーマンスは力強くストンプをしていて、なんだか不思議な気分でした。

ami:タイムズスクエアでのライブは、今回の修行で一番見てる人の笑顔が多かった印象です。見ながら映像を撮ってくれている人もいれば、写真を撮ってくれている人もいたり、歓声をあげてくれる方もいて、本当に夢みたいで。改めて本当にあそこでライブしたんだなと思い返すと、すごかったなと。パフォーマンスを終えて、丸山監督から最初に「正直できないと思ってた」と声をかけられました。その言葉を聞いて、この旅は自分たちの“Answer”を見つけるためのものだったけど、監督自身もスタッフさんも、私たちを通してそれぞれの「答え」を見つけたような気がしたんです。

 

「失敗するのを恐れることよりも、挑戦しない方がもったいない」(MOMOKA)

ーーその答えが正解か不正解かは、日本に帰国後、どこまで経験したものをパフォーマンスに反映できるかどうか、という部分にかかっています。帰国翌日に早速ライブがあったと思うのですが、手応えのほどは?

ami:パフォーマンスの中身は一旦置いて、ライブをする際にお客さんが集まっていること自体が幸せなことなんだとまずは実感しました。で、私たちが変わったことを見せなきゃいけないという気持ちも含め、ライブをする上で感情の乗り方は全く違うものになっていたと思います。

MOMOKA:私は感極まって泣いちゃったりもしたんですが、やっぱり来てくれる人がいることも、ライブができることも当たり前じゃない。そんなことを感じるには十分な時間でした。「Answer」自体がそういう感情を表現する曲でもあって、改めて曲が人に与える影響はすごいなと思わされました。

ami:NYから帰って来て最初のライブの日、向こうでやっていたのと全く同じパフォーマンスをしたんですよ。マイクを使わずに、できるだけその時と同じ条件と動きで。やっぱり、気持ちがその時に戻った感じがして、スイッチが入った感じがしました。

MOMOKA:あと、お客さんよりも高い位置にいることに違和感を覚えたり。

ami:「あれ、みんなのことが見える!?」ってね(笑)。

Nono:マイクを使うことも少し不自然で。

ーーパフォーマンスの時差ボケがあったわけですね(笑)。3月20日には代官山LOOPでワンマンライブも予定されていますが、もちろん今回の武者修行の成果はここで存分に発揮されるわけですよね。

Nono:もちろんです。「Answer」はそのなかでも特に大事な曲ですが、今回は一つ殻を破ってレベルアップしたJ☆Dee'Zを見せたいと思っています。

ami:ワンマンは1年以上行なっていなかったので、お客さんのテンションも一段と違うでしょうし、「やっぱJ☆Dee'Z最高だな!」と言ってもらいたいです。

Nono:「ありのままのJ☆Dee’Zが映し出されたワンマンライブにしたい」というテーマもあるんです。

ami:変にカッコつけてもそれは自分たちの本音じゃないと思うので。このワンマンライブが結成してから今までの集大成になりますし、ありのままのJ☆Dee’Zをぶつけて、伝わるものがあればいいなと思います。今回のNY武者修行でメンバーと話し合いを重ねる中で、同時に自分の中に問いかけていることも多くて。結果的に、自分自身をもっと知るきっかけになりました。細かいパフォーマンスの部分でも気付けることが多々あったので、そこはライブに向けてしっかり整えていきたいです。

ーーこのワンマンを経て、グループはまた次のステップへと進むわけですが、旅を終えたいま、2017年以降のJ☆Dee'Zについてのビジョンは変わりましたか?

Nono:今まではこうしたいという目標があった時、それにふさわしい人になりたくて、どういう風に勉強すればなれるのかと考えたりもしました。でも、大事なのはそこで一歩踏み出すことなんですよね、結局。2017年の目標は「ワンマンライブをする!」というものだったのですが、早速叶えることが出来たので、ワンマンライブ以外にも、目標に向かって自分を信じて一歩ずつ進んでいこうと思います。

ami:「こんなグループになりたい」という大きなものではないですが、「Answer」とともに過ごした中で感じたことがあって。J☆Dee'Zも結成からここまでの7年間で、たくさんの選択肢があったからこそ、今の自分たちがいると思うんです。私たち自身も、今後は壁にぶち当たったり、大きな分かれ道が目の前に現れたりもするでしょう。でもその一つひとつをうやむやにせず、しっかりアンサーを出していって、それが未来につながればいいですよね。その結果、「最高のチームだね」と自信を持って言えるような集団であれば理想ですね。

MOMOKA:やっぱり、挑戦して失敗するのを恐れることよりも、挑戦しない方がもったいないですよ。人生は一度しかないから、躊躇うのではなくガンガン挑戦する。将来の自分にJ☆Dee’Zでよかったと思わせたいし、そのためにいつでもカッコいいJ☆Dee'Zであり続けたいです。

(取材・文=中村拓海)

■リリース情報
2017年3月1日(水) 発売 J☆Dee'Z 『Answer』
初回生産限定盤 (CD+DVD)  1,500円(税込)
通常盤 (CD)  1,200円(税込)

J☆Dee’Z 「Answer」(NY武者修行ドキュメンタリーMV)

「MORNING HOPE」、「JINGLE LOVE」2曲が配信中
J☆Dee'Z 『MORNING HOPE』Short Ver.
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■J☆Dee'Z レギュラーラジオ
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■関連リンク
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