太田省一『ジャニーズとテレビ史』第二十八回:2017年期待のジャニーズ

関ジャニ渋谷、TOKIO山口、キスマイ横尾、セクゾ佐藤……2017年テレビで活躍期待のメンバーたち

 同じ“実技系”の注目株として、もうひとりKis-My-Ft2の横尾渉を挙げたい。

 舞祭組の一員としても活躍する横尾は、さまざまな失敗エピソードからポンコツキャラとしていじられる存在だ。だがその分、意外性を感じさせるふり幅の大きさが魅力にもなっている。

 そのひとつが『キスマイBUSAIKU!?』(フジテレビ系)などで披露し、「水回りの横尾」という異名まである料理の腕前だが、最近はそれ以外にも『プレバト!!』(TBS系)のなかで俳句の才能も発揮して周囲を驚かせている。

 特に俳句については、自ら関連の書物を読み、勉強して上達するプロセスがわかるところがポイントだ。本来言葉に対するセンスもあるのだろうが、そこには彼の努力家の一面が垣間見える。

 努力による成長はアイドルの持つ本質的な魅力だが、それを俳句というまさに意外な分野で見せてくれるところに横尾渉の他にはないユニークさがある。その愛されキャラとしての一面とともに、実はいまのテレビバラエティに最も向いているジャニーズのひとりではなかろうか。その適性が、今年はさらに発揮されることを期待したい。

 もちろん、努力による成長だけがアイドルの魅力ではない。男性アイドルには王子様的魅力が求められる面もある。その意味で今年期待したいのが、Sexy Zoneの佐藤勝利だ。

 グループとしてのSexy Zoneは、『NHK紅白歌合戦』(NHK総合)に4年連続出場を果たすなど実績を重ねているが、メンバーのソロ活動も活発になってきた。

 佐藤勝利で言うと、ここ数年はソロ公演をSexy ZoneとA.B.C-Zによるコンサート『Summer Paradise』の場などで行うことが恒例になっている。そうしたなか、昨年2016年の公演では、舞台上から本人が初めて茶髪にしたことを告白し、ファンのあいだで大きな話題になった。黒髪のイメージが強かったこともあるが、「髪を染めた」というだけでニュースになるというのも彼の持つ王子様的魅力を裏付けるものだろう。

 ただ、彼の魅力は、キラキラした王子様的な部分だけでない。それに加えて、ふとした瞬間に感じさせる哀愁の魅力による部分も大きい。それは、かつての郷ひろみなどを彷彿とさせる。そうしたジャニーズアイドルの最も良質な面を継承するひとりが、佐藤勝利であることは間違いない。

 彼も昨年20歳となり、成人を迎えた。3月には、映画初出演にして初主演となる『ハルチカ』の公開も控えている。それをきっかけに、彼がドラマでもよい企画に巡り合うことを願いたい。

 こう見てきても、時代の変化とともにジャニーズの活動もいっそう多様化している。そのなかで、どんなジャンルで誰がどのような活躍をするのか、期待しながら見守っていきたい。

■太田省一
1960年生まれ。社会学者。テレビとその周辺(アイドル、お笑いなど)に関することが現在の主な執筆テーマ。著書に『SMAPと平成ニッポン 不安の時代のエンターテインメント』(光文社新書)、『ジャニーズの正体 エンターテインメントの戦後史』(双葉社)、『中居正広という生き方』(青弓社)、『社会は笑う・増補版』(青弓社)、『紅白歌合戦と日本人』『アイドル進化論』(以上、筑摩書房)。WEBRONZAにて「ネット動画の風景」を連載中。

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