『[ jet setter, jet lag tours ♥ premiere exclusive ]』を栗原裕一郎がレポート

meg rockが4年ぶり夏ワンマンで見せた、ハードな“ロック割増し”ステージ

 

“ロック割増し”にハード&ラウド

 「流星ピクニック」に象徴されていたと思うが、今回のワンマンは全体的に演奏がハードでラウドだった。特に、オープニングで「今日は飛ばしてるな」と感じた山本陽介のギターは、そのままのテンションで最後まで突っ走っていた。ヴィンテージのムスタング(彼のツイッターによると68年製だそうだ)を掻き鳴らしていたのも印象的だった。

 ミト(クラムボン)のベースと山内康雄のドラムがバンドをエモーショナルに牽引していたのも大きい。とりわけ昨年のメロキュアワンマンでmeg rockチームに初参加した山内のドラムがロック度数のアップに寄与していたように思った。山内は、ラウドネスの樋口宗孝に師事し、ハードロックからメタル、ヴィジュアル系まで数々のバンドをサポートしてきたハードヒッターなのだ。

 もう一人のギター川口圭太がエフェクタでトリッキーな音を鳴らし、サウンドにアクセントを付けていたのは、これまでにない試みで面白かった。序盤の「レジへGO!」で「ピュー」というか「ピューン」というか、そういう不思議な音が鳴り、最初はマニピュレーターの菅原拓が出しているのかなと思ったのだが、次第に川口が鳴らしているのだとわかってきた。アンコールのオーラス曲となった「slight fever」ではもう盛大にピュー、ピューンとやっていた。

 

 meg rockのヴォーカルも変わらずパワフルでチャーミングで安定していて、いつも通りの、でもいつもとはひと味違う、ロック&ラウド感“ロック割増し”のライヴだった。

 あ、そうそう、この日のライヴでは、ステージ、フロアともに、いつにも増して笑い声が、そう、たぶん“ロック倍”くらい多かったことも書き添えておきたい。とても楽しいライヴでした。

■栗原裕一郎
評論家。文芸、音楽、芸能、経済学あたりで文筆活動を行う。『〈盗作〉の文学史』で日本推理作家協会賞受賞。近著に『石原慎太郎を読んでみた』(豊崎由美氏との共著)。Twitter

■セットリスト
00 流星ピクニック (prelude)
01 レジへGO!
02 clover
03 花火 (※新曲)
04 heart
05 incl.
06 Catch You Catch Me
07 ベビーローテンション
08 笑顔の理由
09 セルフカヴァーメドレー:ナミダ流星群~オレンジミント
10 向日葵
11 Agapē
12 star
13 mighty roller coaster
14 この左手は君のもの
15 流星ピクニック (※新曲)
en01 play loud
en02 slight fever

■meg rockバンド
Ba. ミト (クラムボン)
Gt. 川口圭太
Gt. 山本陽介
Dr. 山内康雄
Mnp. 菅原拓

■リリース情報
meg rock "twinkle, sparkle" 配信限定リリース!
http://www.megrock.com/rls_twnklsprkl/

iTunes (Mastered for iTunes 版)
e-onkyo (ハイレゾ版)
mora (ハイレゾ版)

■ワンマンライヴ情報
11月13日 メロキュア / 品川ステラボール
12月18日 meg rock / 渋谷WWW

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