インドネシアでも「じゃんけんぽん!」 JKT48初のじゃんけん大会は日本式?
インドネシアでも日本式の「じゃんけんぽん」
今回、JKT48のじゃんけん大会でも選抜入りした仲川は以下のように語っている。
「じゃんけん大会は AKB のじゃんけんに何回か参加しましたが、JKT48 では初めてで、異国でやる じゃんけんはとても新鮮でした。『じゃんけん』は日本語ですが、今回はそのままに『じゃんけん』を使って試合しましたし、この言葉がインドネシアでもっと広がってくれたら面白いと思います。今回のじゃんけんでは運良くベスト16で選抜に入ることができました! 他の選抜メンバーは新しいメンバーばかりなので、私が盛り上げていくように頑張ります」
仲川が指摘するように「じゃんけん」は日本語だ。インドネシア人にも「じゃんけん」と同じものがあり「スィー」という掛け声で始まる。日本の「じゃんけん」のように「ぐー・ちょき・ぱー」ではなくて「象(親指:ガジャ)、人(人差し指:オラン)、アリ(小指:スムット)」。『人はアリに勝ち、象には負ける。象は人に勝ち、アリに負ける。アリは象に勝ち、人に負ける』、これがインドネシアのじゃんけん(スィー)だ。
それが今回のJKT48では、インドネシアで日本式の「じゃんけん大会」だった。タイトルも「JKT48 JANKEN Competition」と「じゃんけん」は日本語で、さらに日本人にはお馴染みの「ぐー・ちょき・ぱー」でメンバーらは戦った。そして日本でやるように大きな声で「じゃんけんぽん」の掛け声もあった。レフェリーもいて、それはまさにAKB48が日本でやる「じゃんけん大会」と同じだった。
日本人がいきなりインドネシアの「スィー」で親指、人差し指、小指を出して競えと言われても、慣れるまでは頭が混乱してしまうように、インドネシア人のメンバーやファンにとっても、最初は慣れない日本式の「じゃんけん」だったが、本番で混乱しないように大会前から多くの「じゃんけん」を行っていた。例えば、ジャカルタのJKT48劇場では公演後に会場に来ていたファンから抽選で選ばれた人が自分の好きなメンバーと「じゃんけん」をするなど、大会前から練習を積んでいた。慣れてしまえば簡単で、メンバーもファンも日本語での「じゃんけんぽん」という大きな掛け声で「ぐー・ちょき・ぱー」を出して勝負を競っていた。
そしてあっという間にJKT48とファンの間で、日本式の「じゃんけん」と「じゃんけんぽん」の掛け声がインドネシアに浸透していった。もちろんインドネシア人は日常的には今でも「スィー」で対決するが、JKT48の「じゃんけん大会」を通じて日本式の「じゃんけん」を知ったインドネシア人がたくさんいた。仲川もコメントしていたように「じゃんけん」という言葉と遊び方が、インドネシアでもっと定着していったら面白いだろう。9月21日には、シンカがセンターを務めるシングル『LOVE TRIP』が発売された。シンカから「もうすぐ日本に行くから、待っててね」とのコメントも届いている。次は10月10日の日本でのじゃんけん大会でのシンカの勝負の行方に注目だ。
第一回JKT48のじゃんけん大会ベスト16メンバー
<優勝>
シンカ・ジュリアニ(チームKⅢ)
<準優勝>ニ・マデ・アユ・ファニア・アウレリア(チームT)
<ベスト4>
フィフィヨナ・アプリアニ(チームKⅢ)/ アドリアニ・エリサベス(研究生)
<ベスト8>
フェニ・フィトゥリヤンティ(チームT)/ ナディファ・サルサビラ(チームT)/ タリア・イファンカ・エリサベス(チームJ)/ ヤンセン・インディアニ(チームT)
<ベスト16>
デフィ・キナル・プトゥリ(チームKⅢ)/ ジェニファー・ラヘル・ナタシャ(チームJ)/リスカ・ファイルニッサ(チームKⅢ)/ センディ・アリアニ(チームJ)/ ガブリエラ・マルガレット・ワラオー(チームJ)/ ジェシカ・ファニア(チームJ)/ アリシア・チャンジア(チームKⅢ)/ 仲川遥香(チームT)
(写真=(C)JKT48 Project)
■佐藤 仁
シンクタンク研究員。ポップカルチャーやエンタメ・コンテンツが国際社会や日本経済に与える影響を研究。例えば日本とアジアのソフトパワーの源泉はどこにあり、これからどのように進化していくのかについてミクロ(個人単位)からマクロ(社会全体)まで幅広い視点から探求。