西野カナの凄みは「企画×キャッチコピー」にあり “恋愛ソングの女王”の徹底した作品づくり

 『Just LOVE』収録の楽曲の中では、ギミックを取り払ったヘビーな言葉を切々と歌いあげる「Set me free」が特に印象的だった。「恋愛のいろいろなシーンを切り取ってみました!」というコンセプトありきの楽曲がひたすら続くアルバムを聴くのは30半ば既婚男性としてはなかなかしんどいというのが正直なところだが、そういう企画性を一旦脇に避けたアルバムを西野カナが作るのであればぜひ聴いてみたい。

■レジー
1981年生まれ。一般企業に勤める傍ら、2012年7月に音楽ブログ「レジーのブログ」を開設。アーティスト/作品単体の批評にとどまらない「日本におけるポップミュージックの受容構造」を俯瞰した考察が音楽ファンのみならず音楽ライター・ミュージシャンの間で話題に。2013年春にQUICK JAPANへパスピエ『フィーバー』のディスクレビューを寄稿、以降は外部媒体での発信も行っている。

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