『9mm Parabellum Bullet LIVE 2016 “Waltz on Life Line” at 日比谷野外大音楽堂』レポート

9mm Parabellum Bullet、8年ぶりの日比谷野音で見せた“カラフルな景色”

 9mm Parabellum Bulletが6月19日、『9mm Parabellum Bullet LIVE 2016 “Waltz on Life Line” at 日比谷野外大音楽堂』を開催した。

 9mm Parabellum Bulletが日比谷野外大音楽堂にてライブを行うのは、2008年に開催した『暁の野音』以来およそ8年ぶり。9mm Parabellum Bulletの6thアルバム『Waltz on Life Line』の発売を記念した本公演では、メンバー4人がそれぞれに書き下ろした曲が収められた異色作の楽曲をメインに披露した。雲行きが怪しい天候にも関わらず、会場には立ち見を含め大勢のファンが集結し、開演前から賑わっていた。

 

 SEが流れ、『Waltz on Life Line』のジャケットをあしらった幕が下されると、腕をあげた滝 善充(Gt)を先頭に、メンバーがステージに登場。歓声とともに各々の楽器を搔き鳴らすと、アルバムの軸となる「生命のワルツ」でライブをスタートした。菅原卓郎(Vo/Gt)が「行けるか日比谷ー!」と叫ぶと、特攻演出による爆発音が鳴り、アルバムのリード曲「Lost!!」で一気に爆音のフロアへ。続く「Discommunication」「Mad Pierrot」でも、その熱気は収まることなく、滝がギターを振り回しながらのプレイを披露。激しい演奏が繰り広げられた。

 

 その後も、中村和彦(Bass)が作曲を務めたストレートなロックンロールナンバー「湖」「ロンリーボーイ」などのアルバム曲を一気に披露。MCで菅原は「メンバーみんなで(曲を)書いたからカラフルな色んな景色が見れるアルバムになりまして」と語ると、かみじょうちひろ(Dr)作曲の「Kaleidoscope」へ。前半に披露していた「Mad Pierrot」も含め、かみじょう作の楽曲は、曲中でどんどん展開が変化し、楽曲に多彩な個性が表れていく面白さがある。その後は少し雰囲気を変えて、ミディアムバラード調の「Lady Rainy」を演奏した。

 ここで滝が腕の痛みを訴え1度ステージを降りる。中村とかみじょうもその後退場し、急遽菅原のソロ・アコースティックステージに。「The Revolutionary」を演奏し、ストレイテナーの「シーグラス」をワンフレーズ口ずさんだが、「今年最後の海に行くまでに歌えるようにする」と、同曲の披露を次回までお預けにした。観客からリクエストが寄せられ、菅原が「お、いいね」と言って歌い出したのは「黒い森の旅人」。ちょうどあたりが暗くなった野音の会場に、菅原の透き通る声が響き、いつもとは違う曲の雰囲気に観客は聴き入っていた。

 

 再び4人が揃うと、TVアニメ『ベルセルク』のオープニングテーマ曲として90秒完結で制作した「インフェルノ」へ。演奏前、菅原は「みんなにちょっと覚悟して欲しいんだけど、インフェルノって曲は、このMCよりも短いから。バシっと受け止めてくれよ」とメッセージを送った。曲の始めからエレキギターの早弾き、躍動感溢れるバスドラムの速攻ビートが繰り広げられ、いかにも9mmらしい激しく爽快感のあるサウンドが凝縮された一曲を、オーディエンスは真正面から受け取っていた。

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