1stシングル『Soup』インタビュー

藤原さくらが明かす「ラヴソング」出演で得たこと「ずっと歌い継がれる曲を作っていきたい」

 シンガーソングライターの藤原さくらが1stシングル『Soup』をリリースする。彼女自身がヒロイン役(佐野さくら)として出演しているフジテレビ系月9ドラマ「ラヴソング」の主題歌として制作されたこの曲は、福山雅治の作詞・作曲によるミディアムチューン。愛らしさと切なさが混ざり合うメロディ、カントリー・ミュージックのテイストを取り入れたサウンドメイクがひとつになったこの曲は、ドラマのストーリーと重なりながら、藤原さくらの個性もしっかりと際立たせるナンバーに仕上がっている。

 2016年2月に1stフルアルバム『good morning』をリリース後、初のドラマ出演をきっかけに一気に知名度を上げた彼女。今回のインタビューでは「Soup」の制作プロセスをフックにしながら、ドラマ出演で得たもの、活動状況の変化、シンガーソングライターとしての今後の展望まで、幅広いトピックについて率直に語ってもらった。(森朋之)

「人と人が生きていこうとすれば、楽しいことだけではない」

ーー前回のインタビューは1stフルアルバム『good morning』のリリースタイミング。その後ドラマに出演したことで、いろいろ変化があると思いますが。

藤原さくら(以下、藤原):変化がありすぎて、よくわからないことになってますね(笑)。もうすぐ撮影は終わるんですけど、『Soup』のリリースがあって、その後はワンマンツアーが控えているので。

ーーまずはシングル『Soup』について聞かせてください。シングルのリリース自体、これが初めてですね。

藤原:そうなんですよ。いままでにミニアルバム(『à la carte』)、フルアルバム(『full bloom』『good morning』)は出してきたんですけど、シングルを出すっていうイメージが自分のなかになくて。しかも、福山雅治さんに書いていただいた曲ですからね。自分の人生のなかで、まさか福山さんの曲を歌わせてもらう日がくるなんて思ってなかったです。

ーー「Soup」のデモ音源を聴いたときはどんな印象を持ちました?

藤原:人に書いていただいた曲を歌うという経験があまりなかったというのもあって、当たり前ですけど「自分には書けない、福山さんならではの作品だな」って思いました。私が演じている佐野さくらの気持ちをちゃんと歌詞で表現されていて「すごいな」と感動したし、実際に歌ったときも「とてもかわいいし、ハッピーになれる曲だな」って。この曲、ドラマのなかでは第9話で佐野さくらと神代先生(福山)が作るという設定なんです。親友の真美(夏帆)の結婚式でスピーチのときに歌う曲なんですけど、「幸せになってほしい。いろんなことがあるかもしれないけど、がんばってほしい」っていう気持ちが込められているし、佐野さくらが神代先生に対して抱いている恋心にも重なるなって。大事な人との関係がスープをじっくり煮込むことに例えられているのがとても興味深いなって思ったんですよね。人と人が生きていこうとすれば、楽しいことだけではないと思うんですよ。「ぶつかり合いもあるだろうし、意見が食い違うこともあるけど、それを踏まえたうえで素敵な関係を築いていきたいという思いを歌詞にしました」って福山さんが言っているのを聞いて、「素敵だな。精一杯歌おう」と思えたというか。2曲目の「好きよ 好きよ 好きよ」(ドラマの第6話で披露された楽曲)もそうですけど、ドラマを見てらっしゃる方なら自然に入り込んでいける曲だと思います。

 

ーーレコーディングのときも、ドラマの役柄を反映させてたんですか?

藤原:そうですね。レコーディングのとき、実は歌いながら泣いちゃったんですよ。レコーディングしているときはまだドラマの放送が始まっていなくて、台本を読み進めて、少しずつ話の流れを理解している段階だったんですね。歌録りのときに、佐野さくらと神代先生が「好きよ 好きよ 好きよ」を作ることだったり、「Soup」が親友の結婚式のための曲だってことを教えてもらったんですけど、歌っているときにすごく感情が高ぶってしまって。そのときに初めて佐野さくらにならせてもらった感じがしますね。

ーーコードの使い方やメロディラインも、藤原さんのオリジナル曲とはテイストが違いますよね。

藤原:そうですね。まず「本当にこだわりのつまった作品だな」と思ったんですよ。自分で作る曲には分数コードはあまり使わないし、メロディのキーもわりと高めで。歌っていて楽しいですね。

ーーアコースティック・テイストのサウンドは“藤原さくら”の音楽にも共通してますよね。

藤原:生のサウンドだし、すごく豪華ですよね。フィドルやバンジョーが入っているのも、自分がいままでやってきた音楽に重なる部分があるのかなって。そこはもしかしたらわたしが歌うことを意識してアレンジして下さったのかなって思いますね。このシングル自体も“藤原さくら”としてリリースさせてもらっているし、ありがたいことです。

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