太田省一『ジャニーズとテレビ史』第十九回:バレーボールとジャニーズ

Sexy Zone起用は必然? ジャニーズとバレーボールの深い関わり

 だから、バレーボールをサポートする立場でジャニーズが関わることにはそれなりの必然性があると私は思っている。ジャニーズとバレーボールは、戦後の日本の歩みのなかでどこか似たポジションにある。テレビの画面を通じてアイドル的存在が生まれるところなども。そのことは、ジャニーズとバレーボール双方の歴史が物語っている。

 そして2020年に開催予定の二度目の東京五輪。先ごろ亡くなった盟友とも言える演出家・蜷川幸雄への追悼コメントからも、ジャニー喜多川の五輪への強い思いがうかがえる。Sexy Zoneは、彼が当初から世界の舞台を意識してメンバーを選び、結成したグループでもある。4年後の東京五輪を彷彿とさせる楽曲「2020 Come on to Tokyo」も発表している彼らにとって、現在のバレーボールとの関わりは、2020年へのプロセスのひとつなのかもしれない。

■太田省一
1960年生まれ。社会学者。テレビとその周辺(アイドル、お笑いなど)に関することが現在の主な執筆テーマ。著書に『中居正広という生き方』『社会は笑う・増補版』(以上、青弓社)、『紅白歌合戦と日本人』『アイドル進化論』(以上、筑摩書房)。WEBRONZAにて「ネット動画の風景」を連載中。

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