BABYMETALの世界的“熱狂”はどこまで広がる? 新作『METAL RESISTANCE』までの歩みから読む

 『METAL RESISTANCE』の初回生産限定盤ジャケットでは、漆黒の背景に黒装束を身にまとった3人の姿、そして、対照的な金色に輝きを放つユニット名とタイトルが並ぶ。通常盤も同様にまぶしいほどに金色に輝くBABYMETALのロゴが光るが、これは、メタルの世界を知るために挑んできたこれまでの軌跡を経て、「自分たちが光をもたらすんだ」という決意に思えてならない。

 その象徴となるのが、最終曲の「THE ONE」である。新たな物語のはじまりにも、逆にひとつの物語の終焉にも捉えられるミステリアスな楽曲だが、遠く彼方へ旅立つような壮大なメロディに乗せて歌われるのは、人びとがひとつにつながる光景。メタルで「世界をひとつに」というのは、BABYMETALが掲げてきた命題でもある。事実、2016年の初陣を飾ったウェンブリー・アリーナ公演では、Zepp DiverCity Tokyoでのライブ・ビューイングの光景が現地に生中継され、まさに国境を超えてファンがひとつになった。

 誇りをもって世界へと羽ばたいたBABYMETALは、どこまでその熱狂を広げていくのだろうか。その未来はメタルの世界を司る神“キツネ様”のみぞ知るところではあるが、少なくとも、3人の少女と神バンドによるステージを求める声は、もはや日本語や英語だけでなく、世界中の多様な言語で発せられている。国内外からは、東京ドーム公演での”終焉”を危惧する声もあがっているが、メタルの世界を超高速で駆け抜けてきた彼女たちのステージに、そもそも刹那的な輝きを見出しているファンも少なくないだろう。常に、ある種の“覚悟”を胸に秘めてステージを見届けることが、BABYMETALの魅力を最大限に味わう方法かもしれない。

■カネコシュウヘイ
編集者/ライター/デザイナー。アイドルをはじめ、エンタメ分野での取材や原稿執筆を中心に活動。ライブなどの現場が好きで、月に約数万円はアイドルへ主に費やしている。単著に『BABYMETAL 追っかけ日記』。執筆媒体はWeb『ダ・ヴィンチニュース』『クランクイン!』『ウレぴあ総研』、雑誌『日経エンタテインメント!』など。

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