『アイドル楽曲ディスクガイド』ライター陣が語る、約40年間のアイドル史を網羅した理由
トーク後半では、『アイドル楽曲ディスクガイド』発売から2年が経ち、アイドル楽曲はどう変わってきたのかという話題へ。ピロスエ氏は「そこまで大きくは変わってないんじゃないかな?」と切り出すと、さやわか氏は「楽曲派という人たちは、最近になって表に出てきている気はします。BABYMETALやBiSなど楽曲性を評価されるグループが以前からあった中で、去年ではMaison book girlや3776のようなコンセプトアルバムを出すアイドルも多くなってきた。アルバムを重視しているというのは楽曲重視の流れがさらに加速しているということだと思う」と、昨今のアイドル潮流についてコメントした。
最後に岡島氏は、各登壇者に「今好きなアイドル」を質問。自身を“ハロプロ専門家”と呼ぶピロスエ氏は、「こぶしファクトリーの2ndシングル収録曲がどれもディスコやファンク要素満載ですごくいい」と熱く語りつつ「Juice=Juiceは2016年内の武道館公演を目指して、現在220公演ツアーに挑戦しています。メンバーが主演を務めるドラマ『武道館』もスタートしましたが、メンバーの金澤朋子さんが子宮内膜症になってしまった……。こう言うと語弊がありますが、これ以上ドラマチックなことはあるのか? 運命は残酷過ぎるんじゃないのか?」と楽曲以外の事柄に触れだし、さやわか氏から「事実を積み上げて云々と言っていた人のセリフとは思えない」とツッコミを受けると、会場は笑いに包まれた。
なお、同じ質問に対し、さやわか氏はボカロP・ふなむしがプロデュースするグリッチノイズの女性ボーカルアイドル「聖なるもの」を、DJフクタケ氏は長らくファンであるベイビーレイズJAPANのライブについて「シングルタイトル曲ではない楽曲が、ライブを重ねるごとに育ってアンセム化するなど、観るたびに面白くなってきている」とコメント。中でもグループに楽曲を提供するソウル・R&Bバンド、鶴の“曲推し”であることをアピールした。最後に岡島氏は、イベントのレコメンドアイドルとしてトークの後に登場するKOTO、エレクトリックリボンをオススメに挙げ、そのほかにsora tob sakanaを推しアイドルと述べた。
ライブパートでは、岡島氏がレコメンドとしても挙げたKOTO、エレクトリックリボンがステージに登場。1番手のKOTOは、「シンデレラシンドローム」や「バレンタインズバレリーナ」といったライブ定番曲を披露。激しくもしなやかなダンスを踊りながら、「Can Go」でパフォーマンスを締めくくった。エレクトリックリボンは、「クリームソーダ」や「無敵ガール」といった楽曲をパフォーマンスし、イベントを締めくくった。
井上ヨシマサやtofubeatsといったクリエイターインタビューも掲載されている『アイドル楽曲ディスクガイド』。同著は2年前に出版されたものだが、約40年間のアイドル史を網羅した内容は、現時点でも大変参考になる一冊だ、ということがわかった今回のイベントだった。
(取材・文=渡辺彰浩/写真=フチザキ)
『アイドル楽曲ディスクガイド』
発売:2014年2月26日
価格:¥2,500(税抜)
南沙織からAKB48まで。シングル850+アルバム100、950タイトル徹底レビュー。
http://www.aspect.jp/isbn/?k=978-4-7572-2155-0
KOTOオフィシャルサイト
http://kotora.tokyo/
エレクトリックリボン
http://www.eribon.com/
ピロスエ
http://www.esrp2.jp/
さやわか
https://twitter.com/someru
DJフクタケ
http://www.universal-music.co.jp/dj-fukutake
岡島紳士
https://twitter.com/ok_jm