13thアルバム『BLOOD』リリースインタビュー

→Pia-no-jaC←が明かす、欧州ツアーで得た新たな音楽ビジョン「やっと遊べるようになってきた」

 

すごいことをやりすぎて、何が普通かわからなくなってる

──今作ではもう1つ、パフォーマンスグループのenraとのコラボレーションも大きな特色だと思うんです。去年YouTubeに公開された「METROPOLIS」での映像コラボがあって、今年はカンヌ国際映画祭でもコラボしましたよね。

HAYATO:はい、enraさんがクロージングアクトでやることになって、そこで曲を作ってもらえませんかということになって。今作にも収録されている「FILMS」は完全にenraさんとのコラボ作品なんです。尺もこういう構成でいきたいという内容も決まっていて、そこに音を乗せていく作業だったんですけど、絵コンテを観ながらうまく合わせていきました。これはがっつりコラボして書き下ろした曲ですね。

樫原:ダンスがまだ決まってなくて、絵コンテと言葉とイメージで想像して作っていったんだよね。映画のメドレーになっていて、映画のコンセプトがジャンル的に羅列されていて、それの象徴的な映画のお題が与えられ作っていくという。あとはそのキャッチボールの連続でしたね。enraさんに何度もリハーサルスタジオに来てもらって、作ってる途中の曲を聴いてもらって。「これ? じゃあこっち?」みたいに当てていってできたんです。

HIRO:ここの決めポーズの音はどんな音がいいですか?とか。「キラリン」なのか「キラリーン」なのか、って。

HAYATO:あれはメールのやり取りでは無理でしたね。いろんなシーンが入ってくるので、この曲に関してはものすごい数の転調をしてますから大変でしたけど(笑)。

HIRO:しかも共通言語が何分の何じゃなくて何秒なんですよ。「ここをもう2秒ぐらい」とか。そういったところは新鮮でしたね。

樫原:話が決まってから録音するまでも期間もすごく短かったな。そもそもカンヌって話自体が現実味なかったからね。

HIRO:作ってみたものの、本当にカンヌで流れるまでは信じられなくて(笑)。

樫原:だから生中継を観てビックリしたけどね。

──冷静に考えて、今の→Pia-no-jaC←ってものすごく規模感の大きなことをやってますよね。しかも尋常じゃない曲の作り方ですし。

HAYATO:そうですよね。でもそういうのをやりすぎて、慣れてしまったんですよ(笑)。

HIRO:すごいって周りから言われるけど、それをやりすぎて何が普通かわからなくなってるところもあって(笑)。

HAYATO:自分たちには思いつかないアプローチを提案されるという意味では、コラボは本当に面白いですよ。

思ったことは口に出したら実現する

樫原:そういった経験の成果なのか、今回のアルバムは今までのアルバムで収録時間が一番長いんですよ。7分超えが2曲もあって、レコーディングでも1曲に対して何テイクか録ったんだけど、この長さが必然の尺というか。だからといって別に退屈しないし、一番いいテイクで波もちゃんと作れてるし。そういう意味でも最近の君たちは、強気だよね?(笑)。

HIRO:そうですね、顔色を伺いながら演奏しないですし。

HAYATO:客席をより見れるようになったというか。お客さんがもっと欲してるかとか、まだ続けてもノレるかとか、そういうことがこの1年でよりわかってきて、どんどん楽しくなってます。「あ、もっと自由でいいんやな」って。デビューしたての頃はCD通りじゃないとダメって感じやったんですけどね。

HIRO:僕はお客さんの顔を見つつ、HAYATOも見て「まだ気持ち良さそうな顔してるな」と、両方見つつですけどね(笑)。

──そこに結成10周年の今、到達したというのが非常に面白い話でして。正直、結成した10年前はそこまでを想像してましたか?

HAYATO:10年前はとにかく、ちゃんとしたCDを出したいっていうぐらいしかなかったですね。せいぜい頑張って自主制作でしたから。自分らで録音ボタンをピッと押して、せーので一発録りして、音もめちゃめちゃ悪い感じでしたけど。

HIRO:海外とか子供の頃の夢を語るみたいで、本当に夢物語でしたけどね。だからいろんな経験を経て、実を結んでこうなったのが夢じゃないけど、この10年でしっかり形作ってこれたんだなって感慨深さもあります。

──結成から10年を経た今、→Pia-no-jaC←が今後どこへ進んでいくのかも気になります。この先何年かでこうなっていたいというイメージはありますか?

HAYATO:これは数年前から考えてることで、思ったことは口に出したら実現するなと。何年か前に「海外でライブしたい」ってずっと言い続けてたんですけど、そうしたら去年からようやくできるようになったんで。今回も一番やりたいと思っているのがワールドツアーで、ヨーロッパ、アジア、アメリカといろんな国の人たちに→Pia-no-jaC←の音を届けたいなっていうのがあります。なのでデカイ夢ですけど、いつかワールドツアーがやりたいですね。

──それが実現したら、また各地で得た経験が音に影響して、どんどん変化していくでしょうしね。

HAYATO:もちろんさらに過酷な旅になると思いますけど、その結果また新しい音に出会えるんじゃないかなと思います。

HIRO:それにヨーロッパツアーといっても1、2カ月のものですし、フェスに出演しても9ステージあるうちの3番目のステージで。明らかに1番大きいステージと2番目のステージと、僕らが出てる3番目のステージとでは大きさにかなり差があるんです。そういったスケールアップもどんどんしていきたいですし、もっともっと広く大きく、→Pia-no-jaC←を好きな人と音楽を通じて仲間になっていきたいですね。

(取材・文=西廣智一/撮影=竹内洋平)

【MV】→Pia-no-jaC←「TASOGARE」short ver.

 

■配信情報
『→Pia-no-jaC← ONE NIGHT STRINGS (Digest)』
<ハイレゾ配信曲>
・交響曲 第9番 ニ短調 作品125 「合唱」 第4楽章
・台風
・花音-カノン-
・'Destruction' a moll Op.1,No.38
・アイネクライネ
・METROPOLIS
・ジムノペディ 第1番
・PEACE

ハイレゾ音源配信サイト
e-onkyo music
→Pia-no-jaC← ONE NIGHT STRINGS (Digest)

■リリース情報
→Pia-no-jaC←13th ALBUM『BLOOD』
発売:2015年12月9日(水)
<収録曲>
1.TASOGARE
2.Tears
3.Nostalgia
4.Binary Star
5.BLUE BLOOD BOOGIE
6.FILMS
7.Sicilia di mare aperto
価格:通常盤 1944円(税抜)※CD only
   初回限定盤 2407円(税抜)※CD+DVD
   ヴィレッジヴァンガード限定盤 2407円(税抜)※CD+DVD

<初回限定盤DVD>
DVD:MV「TASOGARE」+MVメイキング映像
ボーナストラック:台風 Extreme Session in Santhia
<ヴィレッジヴァンガード限定盤DVD>
DVD:Close Up →PJ←「TASOGARE」
「TASOGARE」譜面ダウンロードシリアルナンバー付き

■ライブ情報
『→Pia-no-jaC← "BLOOD" TOUR 2016』
チケット一般発売日:2015年11月7日(土)

<ツアー日程>
1月11日(月・祝)神奈川・横浜赤レンガ倉庫1号館ホール
1月15日(金)三重・Live Music M'AXA
1月16日(土)静岡・Live House 浜松窓枠
1月17日(日)岐阜・岐阜club-G
1月23日(土)富山・富山MAIRO
1月24日(日)福井・福井響のホール
1月29日(金)静岡・富士市文化会館ロゼシアター 中ホール
1月30日(土)京都・京都磔磔
1月31日(日)兵庫・THE LIVE HOUSE CHICKEN GEORGE
2月6日(土)千葉・浦安市文化会館 小ホール
2月7日(日)埼玉・三郷市文化会館 小ホール
2月11日(木祝)石川・金沢EIGHT HALL
2月13日(土)愛媛・松山サロンキティ
2月14日(日)香川・高松オリーブホール
2月20日(土)宮城・仙台Rensa
2月21日(日)新潟・新潟LOTS
2月24日(水)岡山・岡山CRAZYMAMA KINGDOM
2月26日(金)広島・HIROSHIMA CLUB QUATTRO
2月27日(土)大分・大分DRUM Be-0
2月28日(日)福岡・Zepp Fukuoka
3月5日(土)北海道・Zepp Sapporo
3月12日(土)愛知・日本特殊陶業市民会館 ビレッジホール
3月13日(日)大阪・なんばHatch
3月19日(土)群馬・桐生市立中央公民館 市民ホール
3月21日(月祝)東京・中野サンプラザ

『「VV JACK 2015」インストアライブ&サイン会』
ライブ閲覧無料
各対象店舗で「BLOOD」購入者に先着でサイン会参加券配布。
・12月12日(土)16:00~
埼玉・イオンレイクタウン mori 木の広場
・12月13日(日)15:00~
茨城・イオンモールつくば センターコート
・12月20日(日)16:00~
愛知・イオンモールナゴヤドーム前 セントラルコート
・12月23日(水・祝)15:00~
京都・イオンモール高の原 平安コート
・12月24日(木)16:00~
兵庫・イオンモール姫路リバーシティー1階 タワーガーデン

→Pia-no-jaC← Official Web Site:http://pia-no-jac.net/

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