チャットモンチー、10周年武道館ライブレポート

チャットモンチーが10周年武道館ライブで見せた、人生という“ドライブ”の楽しさと新たな代表曲

 

 ライブ中盤、サポートメンバーの“乙女団”を迎えて「ときめき」「毒の花」「Last Love Letter」を披露し、続けて“男陣”を迎えて「真夜中遊園地」「こころとあたま」をパフォーマンスした。次にフルメンバーの6人編成でパフォーマンスされたのは「風吹けば恋」。7年半前の武道館公演では、「新曲」として披露されていた曲だ。今や、チャットモンチーの代表曲として、音色の数も更に増えて鳴っている。そして、本編最後の曲に演奏されたのは、最新アルバム『共鳴』のリード曲「きみがその気なら」。力強く、堂々としたバンドサウンドでライブ本編は締めくくられた。

 アンコールでは、再びツーピース時代のバンドセットを載せたサブステージが登場。福岡が「11周年もありますからね! わたしたちもどうなるか分かりませんけど」とバンドの今後についてコメント。福岡は「これからのチャットモンチーが少しでも垣間見えるかな? 曲作ってみたんですよ。まだどうなるか分からん赤ちゃんみたいな曲なんですけど」と述べ、橋本も「いつか発表出来たらいいなって感じでいるんで」とコメントし、まだタイトルも決まっていない出来たての新曲を2人だけで演奏した。サビでは、<私を愛する時間をあげたい>と歌唱するミディアムバラードだ。新曲を演奏し終えると、福岡が「すごいよね! まだなんにも決まってない曲を武道館でやるって」と話すと、橋本は「曲の構成も変わるかもしれんもんな。みんな聴いたってことでリリースした時は気づいてくださいね」とコメントした。

 

 最後に、「チャットの10年ってことは皆さんも10年でいろんなことがあったと思うから。今日がなんかのきっかけになって、また明日から頑張っていけたらなと。これからもみなさん人生という“ドライブ”を一緒に楽しみましょう!」と福岡がオーディエンスに呼びかけ、最後の曲「ドライブ」へ。この曲は、2013年に開催した『チャットモンチー 変身TOUR ’13』にて新曲として初披露された時には、まだ橋本の弾き語りであった曲だ。それが今では、橋本、福岡の2人編成から、途中で乙女団、男陣の面々が加わり演奏される。歌われている内容も、<ぼくらは空も飛べるけど エンジンをかけた 「まっすぐに突き抜けたい この先が果てしなくても 目を閉じないでいよう」 約束をのせてドライブ>とチャットモンチーのバンドの歴史を物語ったような歌詞の内容だ。会場には色とりどりの風船と、10周年のメッセージが印字された幾多のフライングハートが宙を舞う。演奏を終えると、「ありがとう!」と感謝の意を告げ、2人はステージを後にした。

橋本絵莉子福岡晃子

 チャットモンチーの10年のキャリアを総括しながら、アンコールでは生まれたての新曲や、「ドライブ」といったバンドの新たな代表曲を鳴らし、次の足跡を垣間見せてくれたライブであった。披露された新曲は、7年半前の“「風吹けば恋」”のような曲に今後発展していくのかもしれない。これからもチャットモンチーの“ドライブ”は続いていくーー。人生のドライブを一緒に楽しむというファンとの約束をのせて。

(取材・文=渡辺彰浩/写真=古溪一道)

 

■セットリスト
『チャットモンチーのすごい10周年 in 日本武道館!!!!』
日時:11月11日(水)17:30開場/18:30開演
会場:日本武道館

1.ハナノユメ
2.8cmのピンヒール
3.シャングリラ
4.親知らず
5.湯気
6.染まるよ
7.東京ハチミツオーケストラ
8.変身
9.きらきらひかれ
10.ウタタネ
11.ときめき
12.毒の花
13.Last Love Letter
14.真夜中遊園地
15.こころとあたま
16.満月に吠えろ
17.風吹けば恋
18.きみがその気なら
EN1.新曲
EN2.ドライブ

■関連リンク
チャットモンチー オフィシャルサイト
http://www.chatmonchy.com/
「チャットモンチーの徳島こなそんそんフェス2016」オフィシャルサイト
http://www.konasonfes.jp/

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