『ASIAN KUNG-FU GENERATION Tour 2015 「Wonder Future」』レポート
ASIAN KUNG-FU GENERATIONが舞台演出で表現した、“驚くべき未来”へのメッセージ
『Wonder Future』以外では、とりわけメッセージ性の強い楽曲ぞろい。「N2」などの楽曲をとおして、9.11から3.11、そして現在の政治情勢についてまで、1つのステージで体験できる。それは重すぎず、軽すぎず、むしろポップなエンターテインメントだった。本ツアーでアジカンは、ロックキッズに愛されるバンドでありながら、メッセージ性、密度の高い芸術性をも追求したバンドに“アップデート”した。それはフー・ファイターズやU2が、時代に合わせてファンに応えてきたのと同様だろう。ライブ表現においてもアジカンは、多くの人に愛され、若手バンドの目標のひとつとなってきている。
エモーショナル感と、時代に合わせた順応性。本ツアーでより磨かれた彼らの持ち味は今後、海外ツアーで発揮される予定だ。そして来年は、バンド結成20周年。まだまだ隠れた魅力を発見できそうな彼らは今、新人バンドのようなみずみずしさで満ちている!
(文=梶原綾乃)