乃木坂46の13th選抜に見る“清々しい攻めの姿勢”とは? 各ポジションの配置意図を読み解く
すでに発表から1カ月が経った乃木坂46の13thシングル『今、話したい誰かがいる』の歌唱選抜メンバー。8月30日深夜放送の『乃木坂工事中』で解禁された20時間後には、明治神宮野球場で実施された全国ツアー『真夏の全国ツアー2015』の千秋楽で同曲を初お披露目するなど、有無を言わせぬスピード感で今回の新選抜体制をアピールした。
今回の選抜メンバーは、ここ2作続いていた18人編成から当初の16人編成へと縮小。もっとも、18人編成というのは、当時SKE48からの交換留学生としてグループに参加していた松井玲奈が加わることを考慮し、なおかつ「これ以上落とすには勿体ないメンバーが増えた」結果だったと個人的には考えているので、その風習を今一度見直して元に戻しただけではないかと受け取ることができる。そのへんについては以前のコラム(乃木坂46の今後を3つの観点で予想 新選抜メンバーに期待されることは? https://realsound.jp/2015/01/post-2284.html)に書いているので、ご確認いただきたい。
さて、12thシングル『太陽ノック』選抜メンバーから2人減った今回の新選抜だが、実はそれほどメンツが代わり映えしていないことに不満を漏らすファンも多いと聞く。事実、前回の選抜から斉藤優里と新内眞衣を外しただけで、あとはポジションに変化があったのみ。これまではアンダーからの昇格や2期生の新規投入といったサプライズも用意されていたが、それも今回は皆無だ。なぜか? 実はこれが2015年後半から2016年初頭にかけての戦略なのではないかと、個人的には考えている。
先述した今年1月のコラムで、私は11thシングル『命は美しい』で西野七瀬が3度目のセンターを務めることについて「西野を生駒や白石と同じくらい、世間に通用するメンバーにしたい」のではないかという運営の思惑について書いた(もちろんこれも私の勝手な想像に過ぎないが)。ご存知の通り、西野はその後WOWOWでオンエアされたドラマ『連続ドラマW 天使のナイフ』に出演したほか、4月からはピザハットのCMに単独出演。そしてに7月から9月にかけてオンエアされた乃木坂46主演ドラマ『初森ベマーズ』では、主人公と呼んで差し支えないポジションを務めたばかり。さらに2月には初のソロ写真集『普段着』を発表し、この春からは女性ファッション誌『non-no』の専属モデルとしても活躍するなど、西野の露出量はこの半年で一気に増えた。グループ内での人気は言うまでもなかったが、これを機に乃木坂46にあまり詳しくない層にも「あの可愛い子、誰?」とアピールしたのではないだろうか。