椎名林檎リスペクト、“美容整形”テーマの歌詞……印象派が打ち出す、ポップな毒とエッジとは?
そして、彼女たちがエッジを効かせるのは、楽曲やMVだけに留まらない。これまでの活動において、ライブをあまり積極的に行っておらず、メディアへの顔出しも最小限にとどめていた。顔を出さないアーティストは年々増加しているように思えるが、“現役OLが顔を隠して出演”というニュアンスは、聴き手にとってはそれらと違った捉え方ができるだろうし、良い意味でフィルターとして作用するうえ、いささか興奮を覚える。それが今作では、アーティスト写真やMVを含め、あからさまにハッキリと露出をしているほか、ライブ活動もこれから本格的に始動すると表明し、積極的に表へ出ようとしている。このことから、同作が大変な自信作であるということを感じるし、聴き手としては期待が高まるばかりだ。
本格的な演奏とミステリアスな打ち出し方で、これまでエッジの効いた核の部分を綺麗にぼやかしていたともいえる印象派。すべてを晒して表舞台へと出ていったとき、2人を見るリスナーの目は“OLの代弁者”か、“アバンギャルドな女性ユニット”か…。このエッジイな音楽性が、ポップミュージックとして厚い支持を集め、市民権を得る未来を見てみたい。
(文=中村拓海)
■リリース情報
印象派『AQ』
発売:8月26日(水)
価格:¥2,000(税込)
<収録曲>
1.テレパシー
2.綺麗
3.Miss Flashback
4.MFB A-gain
5.クリームソーダシティ
6.キューポラ
7.QとA
■関連リンク
印象派 オフィシャルHP