「みなさんと1対1だと思っている」星野源が“ひとり武道館”ライブで見せたものは?

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星野源

 星野源のワンマンライブ『星野源のひとりエッジ in 武道館』が、8月12~13日にかけて行なわれた。タイトル通り星野源がバンドメンバーなどを呼ばずに、ひとりでセンターステージに立って弾き語りを披露するというコンセプトのもとに行なわれたもので、2日間合わせて約26,000人の観客が訪れた。本稿では、13日のライブの模様をレポートしたい。

 満員の武道館の真ん中に設置されたステージのうえに、アコースティックギター一本を提げて静かに登場した星野は、大歓声の中、まずは四方に向けて深々とお辞儀。その後、おもむろにマイクに向かうと、13,000人の観客が見守る中、生々しいアコギのサウンドを鳴らしながら、「殺してやりたい 人はいるけれど 君だって同じだろ 嘘つくなよ」と、まるで一人ひとりに語りかけるように、一曲目「バイト」を歌い始めた。緊張感のある幕開けだ。

 挨拶もそこそこに2曲目「ギャグ」を歌い始めると、そのグルーヴに合わせて手拍子が起こり始めるが、その鮮烈な演奏に飲まれてか、自然と会場が静まり返る。しかし、3曲目「化物」では、星野は観客たちに向かって「好きなように楽しんでいいんだよ」と諭すかのようにうなずき、手拍子を促す。一気に会場が盛り上がると、ようやく星野源も「こんばんは、星野源です!」と挨拶し、大きな歓声が巻き起こった。

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星野源

 「今日は完全にひとりで頑張ってやりきりたいと思います。よろしくお願いします」とのMCの後は、日々の労働について歌う「ワークソング」で、会場を温かな雰囲気に包んでゆく。続けて、星野自身も出演する映画『地獄でなぜ悪い』主題歌となった同タイトル曲では、リズミカルなギターと独特のテンションで盛り上げた。さらにナンバーガールの名曲「透明少女」のカバーでは、繊細なメロディをしっとりと聴かせるアレンジで、同曲のメランコリックな側面を浮き彫りにしてみせた。そのほか、ファンキーかつセクシーなギターテクを存分に発揮した「Snow Men」や、あまく優しい旋律で魅了する「フィルム」といった多彩な楽曲で、弾き語りの魅力をじっくりと伝えていく。星野自身が「武道館でのライブは、1対大勢じゃなくて、みなさん一人ひとりと1対1だと思っている」と語ったように、そこにはパーソナルな親しみが感じられた。

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