フロー・ライダーは“隠れトレンドセッター”だった? 5つの“ダー!”から検証

 

 その後、クリス・ブラウン「Yeah 3x」(2010年)、リアーナ「We Found Love」(2011年)、ニッキー・ミナージュ「Starships」(2012年)などがメガヒットを放っていることからも、EDMムーヴメントが一過性のものではなく、カルチャーとして根付いたことがわかるだろう。そんなカルチャーの形成にフロー・ライダーも、しっかりと一肌脱いでいるのだ。

「ビジネスの才覚を発揮~副業も当然ダー~」

 そんなトレンドセッターのフロー・ライダーに欠かせないのが、筋肉。筋骨隆々を維持する彼は、『Wild Ones』がリリースされた2012年7月、月刊『マッスル・アンド・フィットネス』日本版の表紙に登場。同誌は発行国のアメリカをはじめ世界40カ国で出版されている世界最大級のメジャー・フィットネス雑誌で、科学的根拠に基づいたトレーニング法や、正しい食事の摂り方などの情報が網羅されている。フロー・ライダーは自ら〈FLO FIT〉なるパーソナル・フィットネスのプログラムを考案し、そのノウハウを収録したエクササイズDVDを発表している。

 日本でも、TRFが結成20周年を記念して発売したエクササイズDVD『EZ DO DANCERCIZE』が大ヒットを記録したり、近年はボディメイク&ダイエットが大流行中。フロー・ライダーは、そんな流行がやってくる前から、自らが師範となってファンの健康を慮っていたのだ。

「メジャーリーグでもメジャー級~イチローにも愛されてるんダー~」

 2015年からメジャーリーグのマイアミ・マーリンズに在籍するイチロー。マイアミはフロリダの主要都市であり、フロー・ライダーの出身地であるキャロル・シティーとは目と鼻の先だ。だが、それよりも遥か以前、彼とフロー・ライダーはすでに邂逅していた。

 

 そのきっかけとなったのが、シアトル・マリナーズに在籍していた08年に「In The Ayer」を、翌09年シーズンには「Jump」を打席入場のテーマ曲に採用していたから。それを光栄に感じたフロー・ライダーは同曲のイントロとサビを〈イチロー応援仕様リリック〉に変更したイチロー・バージョンを制作し、ライブでシアトルを訪れた際にイチローとご対面。完成したての「Jump (Let's Go Ichiro Remix)」を手渡すと、イチローからはお返しにサイン入りバットが贈られた。イチローが日米で〈安打製造機〉と呼ばれる裏には、フロー・ライダーの曲のパワーが一役買っていたのだ。

「EXILEにMay J.、鼠先輩とも共演~多彩なメンツと共演済みダー~」

 イチローに応援ソングを贈呈したかと思えば、今度は「The Next door - Indestructible」でEXILEと共演。さらにアルバム『Wild Ones』(2012年)の日本盤では、ジェニファー・ロペスとの共演曲「Sweet Spot」のサビをMay J.が担当、新世代の音楽プロデューサー、tofubeatsがリミックスを手掛けた「Let It Roll (tofubeats Remix)」を収録するなど、多彩な面々と共演を果たしてきた。また、異色のコラボでは鼠先輩と「Low」のリメイク(リ迷ク?)「今夜はポウ☆ポウ☆ポウ」などもあり、フロー・ライダーの親日家っぷりには頭が上がらない。

 

 

 トレンドに敏感であり、国籍や世代、性別までも超えた支持を集め続けるフロー・ライダー。最新作「My House」に引き続きリリースされる『The Perfect 10』と題されたアルバムでは、どんなトレンドセッターっぷりを見せてくれるのか。その日が来るまで今作を聴いて、今年の夏をアツく過ごすんダー!

(文=三田村 優)

 

■リリース情報

Amazon
http://goo.gl/I2peMd

iTunes
https://itunes.apple.com/jp/album/my-house/id971238498

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