ナノが2年ぶりドイツ公演で見せた“言語の壁”を超える瞬間 『Rock on Germany.』現地レポート

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 さて、改めてライブの感想についても記していきたいと思う。会場が暗転し最新アルバム『Rock on.』収録曲のMVを用いたオープニングムービーが上映されると、客席からは悲鳴にも似た大歓声が沸き起こる。そしてイントロに合わせてナノがステージに現れると、その盛り上がりは早くもピークに達し、「SABLE」から勢いよくライブはスタートした。ライブ序盤は「identity crisis」「Born to be」といったアルバム『Rock on.』からのナンバーを連発。ナノは英語とドイツ語を駆使したMCで、現地のファンとコミュニケーションを図る。そして「Are you ready to jump?」の問いかけに続いてアッパーな「JUMP START」、ドラマチックな展開を持つ「Scarlet Story」、グルーヴィーなリズムの「BE FREE (WITH MUSIC)」などで再び会場の熱気を高めていった。

 この日の目玉となったのは、ライブ中盤に披露された新曲「Freedom Is Yours」だろう。エレクトロビートとシンセの音色が気持ちよく響くこの曲に対し、会場のファンはほかの既発曲と変わらないほど大きな声援を送る。さらにアコースティックギターのみを伴奏に歌うパートでは、観客が両手を挙げて左右に振ったりカラフルなペンライトを高く掲げたりと独自の方法でライブを盛り上げる。さらに面白いのは、しっとりとしたバラードナンバーでも盛大な拍手は歓声、さらには手拍子などが沸き起こり、こういうところから日本との国民性の違いを強く感じたりもした。

 ライブは「No pain, No game」から後半戦に突入。この曲に対してはナノが曲名をアナウンスした瞬間にそれまで以上の大歓声が上がり、冒頭のサビパートでは日本語を含む歌詞を大合唱する場面もあった。日本にいるだけでは知り得ないこういう瞬間に立ち会うと、本当に支持されているアーティストというのは言語の壁をいとも簡単にぶち壊してしまうパワーを持っているんだなと実感できるのだから、本当に面白い。

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