寺嶋由芙が明かす、“まじめなアイドル”の葛藤と覚悟 「CDを積ませるだけでは続けていけない」

「私が好きだったときのアイドルはそうじゃなかった」

――オリコン10位以内に入ると宣言しましたが、手応えはどうですか?

寺嶋:それでヲタさんに変なプレッシャーをかけていたら申し訳ないなと。宣言したときと今とで私の状況が変わって、メジャーでやっていくなかで難しいことがあるのもわかったし、こっちが勝手に目標を掲げたのに、結局みんなに頼らないといけないのは申し訳ないなと思います。

――宣言したことを後悔はしてないですか?

寺嶋:後悔はしてないです。前からずっと思っていることなので、言うか言わないかの差だけなんですけど、言ってるほどのことをできてないなと。

――そこは寺嶋さんが気に病むところではないのでは。

寺嶋:世間の流れなので仕方ないと言ってくれる人もいるけど、積ませるだけでは続けていけないし、結果を出してこそ露出が増える流れはあるけれど、それでいいのかなとは思います。私が好きだったときのアイドルはそうじゃなかったから、モーニング娘。のCDを何十枚も買ってないですし。せめて何枚も買ってくれる人には、特典会を心を込めてやっています。

――今のアイドルシーンでは、寺嶋さんのようにソロで逆境を乗り越えられる人はごくわずかだと思います。なぜ乗り越えられたと思いますか?

寺嶋:当時お世話をしてくれたスタッフさんもいたし、なによりオタクのおかげです。私が本当に何者でもなくなったときでも毎日Twitterのリプで応援してくれたり。ゆるキャラのイベントに出演したら見に来てくれたり、「ミスiD2014」でも投票をがんばってくれたり、本当に助けてもらいました。

――メジャー・デビューという節目に、今どんな気持ちか率直に教えてください。

寺嶋:ちょっと自分もいろいろ建て直せてないし、みんなに頼りっぱなしになっちゃうなって(涙を流しながら)。

――どうしてそう思うんですか?

寺嶋:今回メジャー・デビューで周囲の目がガラッと変わって、「これはあって当たり前」と求められるものが増えて、それに追いつけてない気がします。

――それはどうリベンジしていきたいですか?

寺嶋:とりあえず営業ふぁぼ(Twitterのお気に入り)をしています(笑)。自分はフライヤーを配ったり、ツイキャスをしたりしかできないから、まずは体調を整えてひとつひとつのステージを大事にしています。

――メジャー・デビューを前にして、インディーズ時代を振り返ってもっとも大きかったことは何でしょうか?

寺嶋:初めてのワンマンライヴです。

――メジャー・デビューの発表当日ですね。あの時の反応はどう思いましたか?

寺嶋:みんながあんなに喜んでくれるとは思わなかったから、それに応えなければならないと思いました。アイドル界隈はいろんなことがあるじゃないですか。その度にショックを受けるオタクたちを見ているので、傷を癒しにリリースイベントに来てくれたらいいなと思います。CDをリリースできることは本当にありがたいことなのでがんばりたいです。

(取材・文=宗像明将)

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