2ndアルバム『candy』インタビュー

geek sleep sheepが体現する、バンドの楽しさと醍醐味「音のやりとり、コミュニケーションがすごくある」

「ライヴなどを重ねて、掴めてきてるところもある」(345)

ーーmomoさんのギターも前作以上に激しさを増していて。たとえば「feedback」のフィードバック・ノイズもそうですけど、ギタリストとしての個性がさらに発揮されているな、と。

momo:1stのときは少し“余所行き”だったかなっていうのもあって。これもライヴをやってみて感じたことなんですけど、もっと激しく弾きたくなったんですよね。ノイジーなんだけど、美しく聴かせられるような曲を増やしたいっていうのもあったし。

ーー「ノイジーで美しい」というのは、このバンドのひとつの特徴ですよね。ギターに関しても、意見のやり取りがあるんですか?

yukihiro:momoくんに任せてます。たまに口出します(笑)。

momo:今回のレコーディングでも、「この3人でやれば、ギターはいかようにも出来るな」っていう感じがあったんですよね。(曲を作り始める)スタートの時点では、たとえば「スマパンみたいな感じ」とか「バックのギターはシューゲイザーっぽく」という話もしてるんですけど、歌メロと歌詞が乗って出来上がってみると、まったく違うところに行けているような手応えがあって。

最終的にはちゃんとgeek sleep sheepの曲になるというか。知ってる人が聴けば、ニヤッと出来るポイントも入れてるんですけどね。

ーー確かに(笑)。345さんのベースラインも前作以上に個性が出ている印象を受けました。全体的にメロディ感が増しているというか。

345: geekの曲は構成がしっかりあるので、(Aメロ、Bメロ、サビなどの)段階に合わせたフレーズを意識してますね。

momo:フレーズの当て方が独特だなって思ってたんだよね。そうか、そういうことなのか。

ーーmomoさん、345さんのヴォーカルについても聞かせてください。今回はさらにデュエット感がアップしていると思うんですが…。

momo:デュエット感(笑)。

345:(笑)。ライヴなどを重ねて、掴めてきてるところもありますからね。あと、momoさんが私の声の出しやすいポイントを汲み取ってくれて、「ここらへん(の音域)が歌いやすいでしょ」っていうのを探ってくれてる感じもあって。

momo:1stアルバムを聴き直して、ふたりのハーモニーが気持ちよく響くところを確認したんですよね。いくつか方程式も見つかったので、それもかなり使ってます。僕がダークなギターを弾いても、345ちゃんが歌えばピュアな感じになるし。

345:(笑)。

momo:345ちゃんが歌う曲に関しては、声を思い浮かべながら歌詞を書いたんですよ。それも前作との違いだと思いますね。

ーーアルバムの最後に収録されている「color of dream」は345さんの作詞ですね。

momo:アルバムの最後は厳かで静かな曲にしようって話してたんですけど、すごくネイキッドな感じになったから、345ちゃんの心から出てくる言葉で歌ってもらったほうが、よりグッとくるだろうなと思って。

345:タイトルはyukihiroさんに付けてもらったんです。歌詞を書いて、歌を録ったあとで、yukihiroさんから「これでどう?」という提案があって。

momo:けっこうタイトルを付けてもらったんですよね、yukihiroさんに。「planet ghost」「floating in your shine」もそうだし。ドラマーとしての役割と同じくらい、名付け親として活躍してもらいました。

ーーアルバムタイトルの「candy」は…?

momo:それもyukihiroさんです。それが最初なんですよ、じつは

345:そこから怒涛のタイトル付けが始まりました(笑)。

ーーちなみに「candy」というタイトルの意味は?

yukihiro:意味というよりは、イメージですね。

momo:シンプルなタイトルがいいって話してたし、いろんなニュアンスがある言葉ですからね。

ーー「candy」というと、ジーザス&ザ・メリーチェインの名盤『PSYCHO CANDY』を思い出したりもしますが。

momo:ですよね(笑)。まあ、それもありつつ。

関連記事