2ndアルバム『candy』インタビュー
geek sleep sheepが体現する、バンドの楽しさと醍醐味「音のやりとり、コミュニケーションがすごくある」
「3人で演奏するときの気持ち良さをもっと追求したい」(momo)
ーーなるほど。geek sleep sheepのメインソングライターはmomoさんだと思うのですが、今回のアルバムの曲作りに関して、前作との違いはありましたか?
momo:3人で演奏するときの気持ち良さをもっと追求したい、というのはありましたね。デモはすごくザックリしていて、曲の流れだったり、「ギターと歌メロはこんな感じ」ということだけがわかる程度なんですね。あとは3人でスタジオに入って、何度も演奏しながらアレンジを組立てていくので。
ーー実際にセッションすることで、演奏の気持ち良さを高められる?
momo:そうですね。その場で細かい説明をすることもなくて、ベース、ドラムに関しても「お好きにどうぞ」という感じなので。
345:曲作りの時に何回も同じ曲を演奏するんですけど、yukihiroさんが突然、まったく違うドラムを叩いたりして。それに対して「じゃあ、私はこうやろう」と反応していく感じですね。
ーー「次はこういう感じでやろう」みたいな話はなく?
345:ないですね。いきなり来ます(笑)。
momo:「ドラムってそんな楽器だったっけ?」って思うくらい、ガラッと変えてくるよね。
345:しかも、すごい無表情で。
yukihiro:(笑)。
momo:それはね、yukihiroさんの照れ隠しも入ってると思うよ。「どうだ」って顔するのもアレだし…。
ーーyukihiroさんとしては、思い付いたアイデアをどんどん試そうということなんですか?
yukihiro:早くポイントを見つけたいんですよね。そのときに演奏している曲に対して「何がポイントなのかな?」というのを探りたいので。
momo:なるほど。
yukihiro:自分なりに曲のポイントをピックアップしながら演奏して、「どういう反応が来るかな?」って。それが上手くハマればカッコ良くアレンジできるだろうし、反応があまり良くなければ、違うことをやってみる。セッションしながら曲を作っているんだから、そういうことをやらないと意味がないと思うので。練習しているわけではないから、閃いたアイデアは試していかないと。
ーーいきなりまったく違うドラムを叩くことには、明確な意図があると。
yukihiro:そうですね。たぶんドラムって、「そこが決まらないと、次に進めるのが難しい」というパートだと思うんですよ。だからこそ、僕が早い段階でアプローチしたほうがいいかな、と。そういうやりとりも楽しいですからね。
ーー確かにドラムが軸になっている曲も多いですよね。特にyukihiroさんが作曲した「kakurenbo」のドラムは素晴らしいと思います。リズムと歌だけで曲が成立しているというか。
momo:そうなんですよね。メロディ楽器にもなるんですよ、yukihiroさんのドラムは。
yukihiro:その曲はタイム感を掴むのが難しかったですけどね。レコーディングのときも、ふたり(momo、345)に延々と付き合ってもらって。