ニューロティカ・あっちゃん、元メンバーと語るバンド30年のウラ話「修豚との共演は5年くらい断っていた」

文・取材＝ISHIYA

ターシ「映画では俺の知らない井上さんがいた」

ーー修豚はわざと映画を観に行ってないの？

アツシ：あーはっはっは、意地張って？

修豚：違う違う、俺はそんなにかっこつけない（笑）。ただ単に行けなかっただけ。

ーー自分が喋ってたりするのが恥ずかしいとか？

修豚：それもあるね。でも前売り買いますよ！

ーーあっちゃんは自分で自分の映画観てどうだったの？

アツシ：俺があれ使ってくれとか、こうしてくれとか言うとドキュメンタリーじゃなくなっちゃうから、編集から何から一切タッチしてなくて。実はまだ試写会で1回しか観てないんだけど、緊張して頭がぼーっとして内容を良く憶えてないんだよね。全然わかんない（笑）。

ーーわかんないんだ（笑）。ターシは映画を観てどう思った？

ターシ：そうだなぁ、俺の知らない井上さんだなっていうのはすごく思った。実家にも行ったことあるけど、普段のお店の仕入れだとか、お母さんとああやって働いている普通の姿は新鮮だったね。あとはバンドに対する姿勢とかを改めて観たりするのも。普段わざわざそういう話はしないから。

修豚：現役のときもしないよね。高校のときとかも音楽の話とか全くしない。俺の曲の歌唱力に関してダメ出しはするけど、思想とか歌詞についてとか、音楽に対する姿勢だとかには何もダメ出ししたことがないね。

ーージャッキーとも話はしなかった？

修豚：ないね。昔のメンバーとはあんまりそういう話をしない。

アツシ：修豚が作った曲もそうだけど、ジャッキーが一生懸命作った曲だから、一生懸命詩を乗せるしかないし。

修豚：それで俺達は「一生懸命歌ってんなぁ。でも歌えてねぇなぁ。あそこはそうじゃねぇんだけどなぁ」って。俺の曲は言うけど、ジャッキーの曲に対しては言わないよ。「ああ、ジャッキーはこれでいいんだ。ふーん」って。（全員爆笑）「もうちょっと欲しいんじゃないの？」とか思ってたけどね。

修豚「ニューロティカが続けているから自分もバンドを続けている」

ーー50才にもなってもバンドを続けている理由は？

修豚：コイツ（あっちゃん）がやってるからじゃない？　やっぱりニューロティカがあるから出来てるっていうのは俺は感じてるよね。高島平に行けば俺は普通の熱帯魚屋のおじさんで、周りにバンドやってる人なんか誰もいないからね。高円寺とかこっちに来るとテンションが変わる。やっぱりニューロティカは俺が作ったバンドだし、1回引退はしたんだけどニューロティカって言葉があるうちはやってるのかなって気はするけどね。結局みんな戻って来てるし。この世界は色んなエネルギーがあるのかなと思う。

ターシ：ニューロティカがあるからって言えば綺麗なんだろうけど、さすがにそこまでは思わないよね（笑）。俺は俺でやってるところがあるから。でもニューロティカのことはいつも気になる。個人的にはバンドを続ける理由については、そもそも辞めようと思ったことがないからわかんないんだよね。バンドが無くなったり音楽がなくなったりっていう感覚がわかんない。カッコよく言えば人生の何とかなんだろうけど、そこまでも考えてない。やるのが普通というか。

ーー何がおかしいの？ってね（笑）

ターシ：そうそう、やってますけど何か？みたいな感じなんだよね（笑）。

ーーあっちゃんがバンドを続ける理由は、映画を観たらわかるよね？

アツシ：そうですね。映画を観てくれたら……わかるのかな？

ーー本当に内容覚えてないんだね。

アツシ：そうそう（笑）。

ターシ：内容わかってないっていう。

修豚：はははははは、すごいねニューロティカって。相変わらずやってるよ（笑）。

アツシ：やってるね、やってるやってる！

修豚：現役には誰も文句言えねぇよ！

（取材・文＝ISHIYA）