aiko「知らなかった気持ちに出会っていきたい」 最新作で紡ぐ永遠と青春、50歳でなお更新する“初めて”

aiko、最新作で紡ぐ永遠と青春

 『最後に熱い日々を狂わしき想いで』――。深い余韻を残すこのタイトルは、本作の豊かな魅力を見事に表している。

 「シネマ」(ドラマ『アンサンブル』主題歌)、「カプセル」(TVアニメ『アポカリプスホテル』エンディング主題歌)、シングル表題曲「Cry High Fly」に加え、「あなたの花の色」(TVアニメ『アオのハコ』Season2 オープニングテーマ)などを収めた本作。デビュー28周年を迎えて、今もなお芳醇なライブソングを生み出し続けるaikoにこのアルバムについて聞いた。(森朋之)

aikoが語る“狂わしき想い”、ライブで更新する今

——17枚目のオリジナルアルバムが完成しました。『最後に熱い日々を狂わしき想いで』というタイトルがまず素晴らしくて。4曲目の「Darling」の歌詞の最後に出てくるフレーズですが、これをアルバムの題名にしたのはどうしてですか?

aiko:タイトルってアルバム全体を表すものだから、考えてるうちにプレッシャーになることがあるんですけど、今回もそうでした。「これがいいかな、あれがいいかな」っていくつか候補が浮かんだんだけど、なんとなく自分のなかでハマらなくて、「1回置いておこう」と。ちょっと時間が経ってから、「どんな歌詞を書いてたんだろう?」と読み直してみたときに、このワードが印象に残って。アルバムにふさわしいのはこれかなと思って決めました。“最後の日”じゃなくて、“最後の日々”というところに自分の傲慢さというか、わがままなところが出てる気がしますね。一生のお願いを何度もしちゃうタイプなので(笑)。

aiko-『最後に熱い日々を狂わしき想いで』trailer movie

——aikoさんにとって“狂わしき想い”を感じる瞬間は?

aiko:やっぱりライブですね。お客さんの表情や動きもそうだし、スタッフの方が「こんなに熱心に見つめられたことないな」と思うくらいジッと私を見てくれてたり(笑)、すべてに快感があるんです。それがすごく楽しくて、「もっともっと」って求めてしまうんです。どのライブも初日で最終日というか、「今日が最後でよかったと思えるようなライブをしよう」と思っていて。人生もそういうマインドで生きられたらいいですよね。

——aikoさんが線路に横たわっているアルバムのジャケットも印象的でした。ドキッとしますよね。

aiko:そうですよね(笑)。ずっとお世話になってるカメラマンさんに撮影していただきました。28年やってると、撮影する場所がだんだんなくなってきて。新しい場所で撮りたかったし、ドキッとさせたいなという気持ちもあって。撮影が暑い時期だったから、線路がめっちゃ熱くなってたんです。しかも途中でヒルに刺されて(笑)。ビックリするようなこともあったし、“初めて”を更新できるようなジャケットになってよかったです。

『最後に熱い日々を狂わしき想いで』初回仕様限定盤
『最後に熱い日々を狂わしき想いで』初回仕様限定盤

——では、アルバムの収録曲について聞かせてください。1曲目の「君の言う通り」はaikoさんのアカペラから始まるミディアムバラードです。

aiko:車を運転してるときに思いついた曲です。六本木通りを走ってたんですけど、最初の〈君の街では冬の匂いはもう届いてるか ねぇどうだい〉というフレーズが浮かんできて。すぐ車を止めて、ボイスメモに録音したんですけど、そのときから「ここは絶対アカペラで歌おう」と思っていました。運転中にできた曲だから、曲のタイトルもどこかの道の名前にしたくて。いろいろ考えて「君の言う通り」にしたんですけど、これ、私のなかでは通りの名前なんです。

——「君の言う通り」という道なんですね!

aiko:そうです。「“君の言う通り”を右に曲がって帰ってきて」みたいな(笑)。

——続く「淡い」はロックテイストのアッパーチューン。まさにライブシーンが浮かんでくるような楽曲だなと。

aiko:去年から今年にかけてずっとライブをやっていたし、そのモードが続いていて。「淡い」もそのイメージで作った曲です。歌うとすごく気持ちいいんですよ、この曲。スポーツしたときみたいな感じになるし、ライブでも「みんなも私も気持ちいい」という感じになったらいいなと。

——aikoさん、ライブ中にずっと動いてますよね。

aiko:最近、“かかと”を意識してるんです(笑)。年齢を重ねるとつま先ばかり使うようになるらしくて、「かかともちゃんと使わないとな」と思って。ライブでもかかとを使うことを意識してたんですけど、そしたら身長がちょっと伸びたんですよ。

——えー、ホントですか?

aiko:ホントです! 看護師さんには「誤差の範囲です」って言われましたけど(笑)、絶対かかとを使ったおかげだなって。トレーニング大事だなって思うことにしています(笑)。

——(笑)。アルバムタイトルにもつながっている「Darling」のボーカルもすごく心地よくて。こういうゆったりしたメロディも素敵だなと。

aiko:ゆらゆらしてますよね。これは水戸のホテルで作りました。ライブの前乗りだったんですけど、すごい雪が降ってたんです。大きな雪が降ってくるのを窓越しに見ていて、それがめっちゃキレイで、「曲作ろう」って思って作りました。

——トランペットと歌が絡むパートも聴き所ですね。

aiko:デモ音源を作ってるときに、フェイクのパートを入れたくなったんです。いつもお世話になってる(トランペット奏者の)小林太さんが吹いているイメージで歌ってみたんですけど、島田さん(アレンジャーの島田昌典)に「フッシー(小林)と絡んだらカッコいいなと思って」と言ったら、本当にフッシーが吹いている雰囲気でアレンジしてくれて、「aikoちゃん、どうぞ絡んでください」って。念願叶って絡めました(笑)。

関連記事

リアルサウンド厳選記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「インタビュー」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる