Sexy Zone『Sexy Power3』に見る各メンバーの成長 フレキシブルな体制はどう作用した?

 さらに、松島はSexy Show、マリウスはSexy Boyzとしてセンターを務めている。Jr.歴が浅い状態でデビューをした2人とって、武者修行のような苛酷さ。しかし、これも「自分がセンターに立ってショーを見せるというのはどういうことなのか」というプレッシャーに直面する貴重な経験とも言える。「基本的なダンス以外は独学。チャンスは用意するが、それをどう生かすかは自分次第」というジャニーズらしい愛のムチではないだろうか。

 松島とマリウスも5人で活動しているときには、可愛らしさが先行しがちだったが、各ユニットではクールでセクシーな振りや表情も魅せられるようになってきた。今回、合同曲として収録された「トラフィックジャム」も爽やかなナンバーではありながらも、しっかりと自分たちの足で踏み出していくんだという、強さを感じさせる1曲になっているのだ。

 というプラスの面をわかってはいながらも、5人で歌う「Hey you!」を聞くと、Sexy Zone本来の良さがぎゅっとつまっていて「やっぱり5人がいい」という切ない気持ちが押し寄せてくるファンも多いのではないか。それぞれが急速に成長しているからこそ、さらなる化学反応が見たいという願いを加速させる。

 Sexy Zoneの魅力は進化し続けるグループとするならば、今の3人と2人以外の組み合わせや、松島、マリウスのソロ曲も見てみたいところ。フレキシブルなグループ形態が、より魅力が伝わるように作用してくれたらと願うばかりだ。

(文=中島彩)

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