ギタリスト伊東真一の「祭典」を観た

HINTO、Killing boy、fresh!、木下理樹新バンドTuesday…異色のイベント『伊東祭』レポート

 

 4番手には1年半ぶりのライブとなったKilling boyが登場。日向秀和の暴れベースから始まる「frozen world」では、先ほどのTuesdayとは打って変わってボーカリストとしての木下理樹が顔を出した。伊東がその日の花言葉を言う恒例のMCも健在で、ちなみにこの日の花言葉はラナンキュラス(溢れんばかりの魅力)だという。その後、「1989」「talking about angels」など、これまでにリリースした2枚のアルバム『killing Boy』『Destroying Beauty』からの楽曲を立て続けに披露。伊東のギターが奏でる透明感のあるクリーントーンと、大喜多崇規(ドラム)のタイトなドラムという、4人の個性的なプレイヤーがぶつかり合うステージに、観客はただただ見入っていた。ラストの楽曲「Call 4 U」では、<CALL MY NAME>と繰り返し叫ぶ木下と、多様なフレーズを弾きながらまったく歌を邪魔しない伊東のギターが絡んだ綺麗なメロディを展開し、Killing boyの出番は終了した。

 

 トリを務めたHINTOは、伊東がKilling boyの時と一変したハードなギタープレイを見せた「かんけいないね」からスタート。続く「びいち」では菱谷昌弘(ドラム)の細かいハイハット捌きが観客を踊らせ、「ウォーターランド」では安部光広(ベース)のファンキーなベースと伊東の奥行きのあるギターが、楽曲で描かれている雨模様を見事に表現してみせた。「アウン」では安部コウセイ(ボーカル・ギター)が持つクセのある声がストレートに響き、陽気でダンサブルな「ハートレスダンシング・ドゥ」と「トキメキドライ」では、フロアの観客から諸手が挙がった。本編最後の「かなしみアップデイト」は、伊東のフェイザーのかかったキャッチーなギターサウンドから始まる楽曲。安部コウセイのボーカルとも相性が良い“和”を感じさせるメロディと祭り囃子のようなリズムが特徴的な代表曲を披露し、一旦ステージを後にした。

 アンコールではライブ会場限定盤『チェーンサマー』に収録しており、かねてよりライブの定番曲となっている「メガネがない」を披露。爽やかなパートとハードロック調のパートが交互に繰り返される同曲では、コール&レスポンスで会場が一体となり、熱狂のなかライブが終了した。

 フォーク、ジャム、ロック、ハード、ソフト…様々なギターサウンドを、時にはスマートに、時には泥臭く弾き倒す伊東のギタープレイの幅広さ、器量の大きさを垣間見たこの日のライブ。これからも様々なプレイングでバンドを支えるスーパーギタリストとして活躍する伊東の姿と、同イベントの第二回を楽しみに待ちたい。

(文=編集部)

■セットリスト
堕落モーションFOLK2
1.ブラッドシェア
2.hoo
3.氷の世界(井上陽水のカヴァー)

Tuesday
1.タイトル未定
2.タイトル未定
3.タイトル未定

fresh!
1.ハイビスカス
2.やさしさサヨナラ
3.北の長男坊

killing Boy
1.Frozen Music
2.1989
3.talking about angels
4.xu
5.no love lost
6.you and me,pills
7.Call 4 U

HINTO
1.かんけいないね
2.びいち
3.ウォーターランド
4.アウン
5.ハートレスダンシング・ドゥ
6.トキメキドライ
7.かなしみアップデイト
EN.メガネがない

■ライブ情報
”FEVER MONTHLY LIVE”
2015/03/08(日)
2015/04/12(日)
2015/05/10(日)
会場 : 新代田LIVE HOUSE FEVER
開場 : 17:30 開演 : 18:00
前売 : ¥3,600(D代別)
当日 : ¥4,000(D代別)
出演 : HINTO

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