嵐、2015年は“外に向かう活動”を本格化? 頂点を極めたグループの方向性を占う

 相葉雅紀は昨年末、11月22日より公開された映画『MIRACLE デビクロくんの恋と魔法』で映画単独初主演を務めた。同作では、同じくジャニーズ事務所所属の生田斗真と17年ぶりに共演。青春時代をともに過ごした者同士とあって、同作の記者会見では生田が昔の相葉の印象について語るなどしており、その気の置けないやり取りも話題となった。相葉はこれまでバラエティなどでの活躍が目立ったが、今作で注目を集めたことで、今後は役者としても格を上げていきそうである。

 松本潤は、昨年11月に放送されたNHKのドキュメンタリー『嵐 15年目の告白~LIVE&DOCUMENT~』で、コンサート演出を手がけている様子が放送されたのが印象的だった。一般視聴者にも松本が演出家として手腕を発揮していることが伝わる内容だったため、今後は松本プロデュースの番組やショーなども期待されそうだ。

 グループとしては、2月25日に発売する新シングル『Sakura』に注目したいところ。表題曲は、生田斗真と小栗旬が約8年ぶりに共演するTBS系金曜ドラマ『ウロボロス~この愛こそ、正義。』の主題歌に決定しており、嵐としては珍しくドラマをサポートするような形でのシングルリリースとなる。生田は先述したように、ジャニーズJr.時代は嵐のメンバーとともに過ごしてきた仲間だ。しかし、1月15日に放送された『櫻井有吉アブナイ夜会』では、かつては嵐に選ばれなかったことに対し、「一緒に横一線で頑張っていたはずなのに…」と、複雑な心境を抱いていたことを告白している。そうしたストーリーを経たうえで今回のタッグが組まれたことに思いを馳せると、ジャニーズファンならずとも熱いものを感じるのではないだろうか。

 このように最近の嵐の活躍を見ると、昨年は15周年ということもあり、自らの活動に積極的だったのに対し、今年は新境地の開拓や、ほかのジャニーズメンバーとの繋がりを重視しているように思える。言ってみれば、グループの外に向かう活動が目立つのだ。昨年、アイドルグループとしての頂点を極めた嵐は、今度はジャニーズ内の中心的グループとして機能するとともに、各々のフィールドで第一人者を目指すフェーズに入ったのかもしれない。国民的アイドルグループ・嵐の時代は、まだまだ続きそうだ。

(文=松下博夫)

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