成馬零一『MAGIC PARTY VOL.2』レポ

ライムベリー、ワンマンで見せたアイドルラップの最新形 「今夜はブギー・バック」のカバーも

 

 12月21日、新宿BLAZEにてライムベリーのワンマンライブ『MAGIC PARTY VOL.2』が開催された。昨年の8月以来となるワンマンは、8か月の休止を経て、YUKAが脱退し2MC1DJでの再スタートとなったライムベリーにとって、2014年の活動の総まとめとなるものだった。

 17時、竹内道宏が撮影・編集した「ENTER THE MAGIC PARTY! ライムベリー 復活からワンマンへの道」が流れ、まるでフィルムコンサートのように会場は盛り上がる。映像終了後「2MC1DJ」といいう文字がバックのスクリーンに映し出され、リフレインされ、客席からも同じコールが続く。

 今回のライブは一部、VJ的な演出もほどこされた。試み自体はまだまだ模索段階だが、今後の可能性を感じさせた。

 

 ライブは新曲を挟みながら1stワンマンライブの構造をなぞっていく。その対比がそのまま3MCから2MCへと変化したライムベリーの現在を現していた。印象的だったのは3人のソロ曲。HIKARUの「Ich liebe dich(HIKARU MIX)」は、一年前のワンマンライブで初披露されたポエトリーリーディングだが、去年とは印象が違い、力強く歌われていた。

 HIMEの「クオリア」も1stワンマンで初披露された曲だ。うつむいて歌うHIMEの姿からは、傷つきやすい感性を抱えた10代の痛みがにじみでていて「大人の事情はいつもうるさく、汚れたくないから耳を貸さない」という歌詞が痛い。2MCになって一番変わったのはHIMEの立ち位置だ。3MCの頃は、YUKAと一緒に10代の女の子がラップをすることの初々しさや可愛さといったアイドル性を担っていたのだが、2MCになった時に、ライムベリーのアイドル性を一身に引き受けたのがHIMEだった。復活ライブ以降、少しずつHIMEが自分の役割を自覚していく姿に、見るたびに引き込まれていった。

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