嵐・二宮和也、コンサートや作品に見るエンターテイナーとしてのプロ意識

 そんな二宮を支えたのは、リーダー・大野智の一言だと、前出のドキュメンタリーでは明かされていた。2003年頃、嵐のメンバーは当時の状況を打破してブレイクするためにはどうすれば良いかを話し合ったという。メンバーの櫻井翔と松本潤は、当時の生活も仕事も一度全部ゼロにして、改めてやり直す必要があると訴えたが、大野は「今、目の前にあることを頑張れないやつが何を頑張れんだ」と言い、二宮はその言葉に打たれたそうで、「俺の仕事の根底はそこになっちゃったのよ」と語っていた。

 現在、二宮がまぎれもないプロフェッショナルのエンターテイナーとして、ファンを魅了し続けているのは、演技力や歌唱力といった技術的な側面もさることながら、彼のそういった意識に人々が共感しているから、という面もありそうだ。

(文=松下博夫)

関連記事