物語音楽の旗手Sound Horizonが新曲先行配信 さやわかが「並行世界」をキーワードに読み解く

「主人公格のキャラクターの姿が、2006年にリリースした『Roman』に登場する、イヴェールというキャラクターによく似ています。だからといって同一人物だと断言できるほどSound Horizonの物語は一筋縄ではいかないものですが、しかし何らかの投影があると見て良いかと。今回のシングルの3曲目「Interview With Noël」のタイトルに冠している「Noël」も、『Roman』などの作品に関連するキャラクターの名前と同じです。どれだけ深いこだわりがあるのかは現時点ではわからないですが、過去のキャラを想起させる表現もあることから、これまでSound Horizonを聴いてきたファンが考察を楽しめるような作品に仕上がっているのは間違いないのではないでしょうか」

 Revoの誕生日である6月19日に開設されたLINE公式アカウントも、ストーリーのカギを握っていると、同氏は続ける。

「以前に、Sound HorizonはLINEも『普通じゃない使い方をするに違いない』と考察しましたが(参考:Sound HorizonがLINEアカウントを開設 そのコミュニケーション戦略を読む)、現在LINEではヴァニシング・スターライトが『よだかの星』というシングルをリリースする世界――つまり同じタイトルのシングルが別世界でもリリースされているという切り口――を描いたストーリーを展開しています。発売日もSound Horizon の新作と同日である10月1日になっており、設定に入り込んだファンは、リアルタイムでこの物語を楽しみつつ、新作をヴァニシング・スターライトの楽曲という視点で聴くこともできます。前述の『Interview With Noël』はパラレルワールドのヴァニシング・スターライトがリリースする『よだかの星』には収録されていない、などの裏設定も語られているのも気になるところです。デビュー10周年記念日までは2ヶ月ほどあり、この期間でより世界観を深めていくことも予想されますね」

10周年記念日に向けて様々な仕掛けが動きだしたSound Horizon。今後どのように伏線が回収されるのか、新たな展開を待ちたい。

(文=編集部)

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