カサビアン、“ロックが持つべき姿勢”を語る「ビートルズは50年代のロックを創造し直していた」

Kasabian - eez-eh

今作で影響を受けた音楽について

 アルバムを通して聴かせることを純粋な目的とし、他の要素はなるべく削ぎ落としたという彼らは、多ジャンルの音楽を取り入れることが上手く、これまでも様々なコンセプトでアルバムを制作してきた。その分、影響を受けた音楽も幅広く、今作についてもロックだけにとどまらず、ヒップホップやエレクトロ・ミュージックなどに刺激されたとサージは語っている。

サージ:たくさんあるよ。常に何かに刺激を受けていなければならない。どちらかっていうと、フライング・ロータスとかマッドリブといった音楽だな。カニエのアルバムもちょうどいいタイミングでリリースされた。彼はこの作品でシーンに変化をもたらしたと思う。ロック・ミュージックもこういったアティテュードを持つべきだ。ロックってのは、ギターだけじゃないんだ。60年代後半は、バンドも…ザ・ビートルズなんかも50年代のロックン・ロールに影響を受けていて、エルヴィスのことも大好きだった。でも、エルヴィスがやってたことをやるのではなく、自分たちの感じてたこと、“凄い!”と思えるようなもの、メロディとかさ、それまでとは違ったものに創造し直して音楽を作ろうとしていた。俺たちもそうしようと試みてきたけど、今回はそれが上手く出来たと思う。

 俺が最初に手にした楽器はサンプラーなんだ。12歳の時で、昔のAkaiのサンプラーで、そこが原点となっている。トムはロックン・ロールよりもっとヒップ・ホップが好きだったし、俺たちはブリット・ポップを一緒に経験している。ブリット・ポップには誰もが影響を受けていた。俺たちの文化に大きな影響力を与えていた。俺たちはレイヴ・シーンに始まってヒップ・ホップ、ギター音楽と影響を受けてきて、バンドはいつでもそういったものを混ぜ合わせて音楽を作ってきたんだ。

『SONICMANIA 2014』での来日について

 また、カサビアンにはこのあと、『グラストンベリー・フェスティバル 2014』のヘッドライナーをはじめ、地元レスターで5万人の観客を前にしたライブや、『SONICMANIA 2014』にはヘッドライナーとして出演するなど、10周年にふさわしい公演の数々が控えている。2人は今回の来日について、日本への好意を独特の表現で語ってくれた。

サージ:俺たちがバンドとして人気の出た場所でもある。未だにテープ、カセットを持ってるんだけど、ヴィデオ・カセットのことなんだけど……。

トム:俺たちがステージに上がると、みんながじっと待っててさ(笑)。

サージ:観客の反応がワイルドで、イギリスでも見たことないくらいだった。だから、日本とは常に恋愛関係にあるようなもんで、俺の言いたいこと分かるよね。俺たちに対して親切で敬意を表してくれてきた。日本のみんなは俺たちが何をしたいのか常に理解してくれてきたと思う。

トム:日本に着くと時差ぼけで眠たくて仕方がない(笑)。日本の東京という歪んだゾーンに入っていって、Nintendoのようだ。コンピュータ・ゲームの中に入り込んだようだ。モンスターだ。それで俺たちも“すげえ!すげえ!”ってな感じでビックリしまくって、ホテルにチェックインして、眠らないように頑張る。眠ったら最後だ。初めて訪れた時は驚いたよ。まるで神のような扱いを受けて、すごく妙に感じた。すごく変わってるよ。日本のような場所は他にはないね。

 10年のキャリアを持つベテランバンドとして、今やイギリスを代表するバンドの1つとなっているカサビアン。サマーソニックには複数回の出演経験がある彼らだが、重低音の効いたダンスミュージックが流れる深夜の幕張メッセではどのようなパフォーマンスを繰り広げるのだろうか。来日を楽しみに待ちたい。

(制作協力=Sony Music Japan International)

■リリース情報
『48:13』
発売:6月18日(水)
価格:¥2,200+税

<収録内容>
1.(shiva)
2.bumblebeee
3.stevie
4.(mortis)
5.doomsday
6.treat
7.glass
8.explodes
9.(levitation)
10.clouds
11.eez-eh
12.bow
13.s.p.s

「日本盤ボーナストラック」
14.beanz
15.gelfling

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