TRANSTIC NERVE、シド、NoGoD……独自の音楽的進化を遂げたV系バンド7選
新進気鋭の独自性際立つバンド
そして、ジャンルの枠を飛び越えた、独自性際立つバンドの活躍も目立ってきている。
LIPHLICH
LIPHLICH(リフリッチ)は日本人の考えるヨーロピアンゴシック観を絵に描いたように体現しているバンドだ。どこか80年代のアングラな雰囲気を持ち合わせ、独創的なサウンドとコンセプトを持ち、奇矯な存在感を放つ。7弦ベースを操る進藤渉からもプレイと音楽性が強烈な個性を放っていることが解るはずだ。
NOCTURNAL BLOODLUST
デスコア・バンドとして活動していたが、突如ヴィジュアル系のシーンに殴り込んだNOCTURNAL BLOODLUST(ノクターナルブラッドラスト)というバンドがいる。ヴィジュアル系からヘヴィロックに傾向していったバンドは多くいるが、全く逆だ。デスヴォイスという言葉が似合わないほどの“グロウル”、硬派なデスコア面と歌メロのヴィジュアル系面を上手く使い分けている。楽曲のハードさと、音圧、そしてパフォーマンスは他の追随を許さない。
日本は古来より輸入文化を換骨奪胎して独自のものにしていくことが得意である。ロックだって、海外発祥のものだ。過去に海外進出を夢見たバンドも多くいたが、英語詞で本場のロックをやるよりも、日本独自で発展したものが受け入れられているという現実がある。ヴィジュアル系は海外から、ゴシックやグラムロックといった奇抜なものを、さらに奇抜に発展させた音楽として、逆輸入のような形で見えているのかもしれない。海外の音楽ファンにとっては、まさに「その発想はなかった」と言えるものに違いないだろう。
■冬将軍
音楽専門学校での新人開発、音楽事務所で制作ディレクター、A&R、マネジメント、レーベル運営などを経る。ブログ/Twitter