EXILE人気拡大の背景 「ブラックミュージック」と「ヤンキー文化」の関係性とは?
そして「ブラックミュージック」と「ヤンキー文化」には深い関係がある。というのも2000年代以降の日本のヤンキー文化はそのルーツを黒人ギャング文化に持っており、そのギャング文化の中核を担っていたのがまさに「ブラックミュージック」であったからだ。ここで言うブラックミュージックとはヒップホップのこと。ヒップホップはフラストレーションを溜めていた若者たちに表現の場を与えた音楽だが、彼らのファッションや嗜好性、倫理観などは日本のヤンキー文化にも受け継がれていった。大型の自動車を自己流にデコレーションし、オーバーサイズのジャージやジーンズを腰履きする。仲間との絆を重んじて地元を愛するなど、黒人ギャング文化とヤンキー文化の共通点は多い。このようにブラックミュージックとヤンキー文化は切っても切れない関係なのである。
EXILEのヒットは日本におけるヤンキー文化的な土壌にブラックミュージックが上手くマッチしたことが背景にあるといえる。EXILEの所属事務所であるLDHはすでに彼らの弟分であるTRIBEを数多く輩出しているが、 他の事務所からも同じような(ブラックミュージックとヤンキー文化を上手く融合した)アーティストが登場するのか。今後のトレンドを注視したい。
(文=北濱信哉)