ジャニーズ新人を支える「ヒット請負人」 作曲家・馬飼野康二の功績を探る

 ジャニーズにおいても多くのヒット曲を飛ばした実績から、事務所サイドは彼に絶大な信頼を寄せるようになる。そして1990年代後半からはこれから世に送り出そうとする「トップアイドル候補生」デビュー曲の指名先として、必ずと言っていいほど馬飼野氏が選ばれるようになったのだ。KinKi Kids「DISTANCE」(デビューアルバム「A album」収録)、嵐「A・RA・SHI」、関ジャニ∞「浪花いろは節」、NEWS「NEWSニッポン」、Hey! Say! JUMP「Ultra Music Power」、Sexy Zone「Sexy Zone」など今をときめくスターアイドルのデビュー曲、これらは全て馬飼野氏の手によって作られた。歌謡曲調のメロディと流行のアレンジをミックスさせた耳馴染みのいい楽曲はいずれも大ヒットを記録。彼らがトップアイドル入りするための足掛かりとして馬飼野氏の楽曲は大きく貢献しているのである。

 普段はアイドルの影に隠れその姿が見えない楽曲の作り手たち。たまにはCDのクレジットに記載された彼らの名前にも目を向けてみよう。あの名曲を作ったのも彼だったのか、と思わぬ発見を楽しめるかもしれない。

(文=北濱信哉)

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