年末企画:加藤よしきの「2017年 年間ベスト映画TOP10」 色々と語りたい映画が多い1年

加藤よしきの「2017年ベスト映画TOP10」

 リアルサウンド映画部のレギュラー執筆陣が、年末まで日替わりで発表する2017年の年間ベスト企画。映画、国内ドラマ、海外ドラマ、アニメの4つのカテゴリーに加え、今年輝いた俳優たちも紹介。映画の場合は2017年に日本で劇場公開された(Netflixオリジナル映画は含む)洋邦の作品から、執筆者が独自の観点で10本をセレクト。第12回の選者は、アクション映画への造詣が深いライターの加藤よしき。(編集部)

1. 『イップ・マン 継承』
2. 『ドラゴン×マッハ!』
3. 『HiGH&LOW THE MOVIE 2 / END OF SKY』
4. 『哭声/コクソン』
5. 『マイティ・ソー バトルロイヤル』
6. 『キングコング:髑髏島の巨神』
7. 『アシュラ』
8. 『パトリオット・デイ』
9. 『ハクソー・リッジ』
10. 『ザ・コンサルタント』

 今年は色々と語りたい映画が多いのですが、まず特筆すべきは『ザ・コンサルタント』。最初から最後まで「?」が頭から消えない映画でしたが、その「?」が何とも心地よく、ある人物が頭を撃ち抜かれた瞬間、暖かい笑いが劇場を包みました。あの暖かい笑い声は一生忘れないでしょう。

 続いて『ハクソー・リッジ』『パトリオット・デイ』の傑作実録モノ2本。『ハクソー・リッジ』の「うぎゃー!」から始まる地獄のような戦場描写は最高でした。そして『パトリオット・デイ』! これ、物凄い緊張感のアクション・サスペンスの傑作です。銃撃戦もさることながら、精神的なマウントの取り合いも凄まじくスリリング。政治的な部分の是非は分かれると思いますが、とにかく面白かったです。

 7位は韓国からやってきたド外道映画『アシュラ』。私の2017年ベスト悪役は本作の極悪市長(ファン・ジョンミン)です(『ライフ』のカルビンくんと僅差)。巧みな人心掌握術と異様なメンタルの強さには震えるばかり。私の大好きな「もう殺すしかない悪役」を体現した存在でしたね。

 理想の悪役の次は、理想の怪獣です。『キングコング:髑髏島の巨神』はまさに私の見たい怪獣映画でした。キングコングが画面に映っている間は基本的に何かと戦っているという構成は英断だったと思います。今年は『猿の惑星:聖戦記』もありましたし、こんなに猿映画が充実する年は、もう二度とないかもしれません。

 そんな猿映画に負けず劣らず盛り上がったのがアメコミ映画。中でも一番ハマったのが『マイティ・ソー バトルロイヤル』です。ギャグとシリアスのサジ加減が絶妙で、ずっとこの世界に浸っていたいと思いました。

 続けて4位は地獄映画『哭声/コクソン』。長くなるので詳細は割愛しますが、とにかく言えることは、何を食ったらこんな話を思いつくんだということ。脱帽です。

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「映画シーン分析」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる