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武井咲『黒革の手帖』はなぜ成功した? 女優キャリアと重なる、悪女役のリアリティ

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 女優・武井咲の評価が高まっている。現在放送中のドラマ『黒革の手帖』(テレビ朝日)の主人公・原口元子役で、これまでの武井のイメージを覆す“悪女”を演じ、注目を集めているのだ。『黒革の手帖』は、1982年から2017年までに6回もドラマ化されてきた、松本清張原作の不朽の名作で、大谷直子や浅野ゆう子、米倉涼子といった名だたる女優たちが、本作を通じて新境地を切り開いてきた。

 武井は『黒革の手帖』史上、最年少で原口元子を演じるとあって、ドラマ開始前はその仕上がりを不安視する向きもあったが、蓋を開けてみれば、クールビューティーな立ち振る舞いと迫真の演技で、平均視聴率10%を越える安定の人気作となっている。本作が成功した理由を、ドラマ評論家の成馬零一氏に訊いた。

「初めて武井咲を女優として認知したのは、2010年に放送された野島伸司脚本の『GOLD』(フジテレビ)でした。天海祐希の娘役で、颯爽としたイメージの美少女という印象があり、その後に出演した『大切なことはすべて君が教えてくれた』(フジテレビ)などでも、その路線を踏襲していました。2011年の『アスコーマーチ~明日香工業高校物語~』(テレビ朝日)からは主演作が非常に増えて、経験値を積んでいきますが、良くも悪くも作品数が多かったため、その演技が批判されることもありました。しかし、武井自身のポテンシャルは高く、ここ数年は安定して“等身大の女性”を演じられる女優になっていたと思います。

 このタイミングで彼女が『黒革の手帖』と出会ったのは、そのキャリアにおいても重要だといえるでしょう。もともと芯の強さを感じさせる女優ではありましたが、それが良い意味で花開いています。加えて、『黒革の手帖』の導入部も素晴らしかった。今回の原口元子は、派遣の銀行員からスタートしていました。貧困の問題などと合わせて、等身大の女性として丁寧に描きつつ、そこから悪女へと変貌していく。そのステップアップの様子は、まさに武井自身のキャリアともリンクしていて、だからこそリアリティがありました。これまで、弱い部分もある主人公を多数演じてきた武井だからこそ、本作の原口元子には説得力があり、それが評価に繋がっていると思います」

 また、今後は武井のラブシーンにも期待したいと、成馬氏は続ける。

      

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