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ももクロ脱退から5年、早見あかりが女優として開花したワケ イメージに捉われない役作りの強み

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 女優・早見あかりが大きく花開こうとしている。「ももいろクローバー」脱退から5年が経過し、数年前はお決まりだった“元・ももクロ”の枕詞も最近は目にすることが少なくなった。ももクロ時代、MC役を務めメンバーの精神的支柱だった彼女は、自らを「アイドルに向いていない」と当初の夢からであった女優の道を選択した。脱退当初こそ、「ももいろクローバーZ」に改名したグループの快進撃を受け、「あの時離脱していなければ……」という声も挙がっていたが、その声を跳ね返すかのように、女優という孤高の道に身を投じた彼女は作品を重ねるごとにその魅力を増し続けている。

 早見にとって大きな分岐点となったのが、2014年の朝ドラ『マッサン』と映画初主演作『百瀬、こっちを向いて。』だろう。主人公・亀山政春(玉山鉄二)の妹役・亀山すみれを務めた『マッサン』では、出番は多くないながらも、凛とした佇まいと、兄の妻・エリーを影でサポートする献身的な姿が多くの視聴者を釘付けにした。一方、映画『百瀬、こっちを向いて。』では、好きな人のためだったら、自分が不利になるとわかっても役に立ちたい、という青春の切なさを体現した女子高生・百瀬役を好演。ももクロ時代のキャッチコピー、“クールビューティー”の名の通り、まるで絵画のような美少女ぶりだった。

 その後も、ドラマ『すべてがFになる』、映画『忘れないと誓ったぼくがいた』、など、出演作で異なる魅力を常に放ち続けている早見。美しさを持ちながら、圧倒的“コメディエンヌ”のセンスを備えているのも、他の若手女優にはない彼女ならではの武器だ。

 2008年から出演し続けているシチュエーションコメディドラマ『ウレロ』シリーズでは、劇団ひとり、バカリズム、東京03といった名だたるお笑い芸人を相手に、一歩もひけをとらない“コント芸”を見せつけている。ビンタをかまし、睨みつけ、絶妙の間で笑いをとる。ハーフとも間違えられる整った顔立ちが、惜しげもなく変顔を晒し、舞台を所狭しとハイテンションで動き回る。前述の作品でしか早見を知らない人にとっては、『ウレロ』の早見はまったくの別人に見えるだろう。

20161120-fukuya-2.jpg左から、前田旺志郎、宮野陽名、市原隼人、早見あかり、佐々木希、山下健二郎

 そんな早見あかりの魅力をすべて堪能できると言っても過言ではないのが、現在Amazonプライムで配信中のドラマ『福家堂本舗-KYOTO LOVE STORY-』だ。京都の老舗和菓子屋を舞台に、三姉妹の恋愛模様を描く本作で、早見は次女・あられを演じる。早見を想定して作られたかと思うほどに、このあられ役が実にハマっている。

 艶やかな京美人の姉・雛(佐々木希)に対して、ガサツキャラのあられは、パチンコもすれば、大盛りのご飯を平らげ、髪の毛はボサボサ、恋の相手役・和菓子職人の健司(市原隼人)にも、ぶっきらぼうな態度をとる。実に“色気”とは無縁なのだ。しかし、そんなあられが、ふと“女の子”になってしまう瞬間があるからたまらない。あられの妄想による健司との“ベッドシーン”や、健司から「昔から好きだった」と言われ、web検索をして意味を調べる姿など、思わず“キュン”としてしまうシーンが盛り沢山なのだ。コメディエンヌとしての才能を持ち合わせている早見だからこそ、コミカルでありながら、嫌味のない恋愛劇になっているのだろう。

 大人の色気を纏った “格好いい”市原隼人を堪能できる点も含め、かつての月9ドラマを思わせる王道ラブストーリー。女優・早見あかりの代表作となりそうだ。

      

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