>  >  > 香取慎吾、独身男をどう演じる?

SMAP・香取慎吾はリアルな独身男性をどう演じるか 俳優キャリアから『家族ノカタチ』を考察

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(C)タナカケンイチ

 香取慎吾が主演を務めるドラマ『家族ノカタチ』(毎週日曜22時~/TBS系)が、1月17日よりスタートした。初回視聴率9.3%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と、前クールで平均視聴率18.5%を獲得した同枠のドラマ『下町ロケット』に比べると芳しくないスタートを切った本作だが、初回を観る限り、これは徐々に数字を上げてゆく「スロースターター」のドラマという気がしないでもない。いずれにせよ、本作の鍵を握っているのは、主役を演じる香取慎吾の存在だ。ということで、ここでは「役者」香取慎吾のキャリアを振り返りつつ、本作における彼の役どころについて考えてみたい。

 1996年、ドラマ『透明人間』で、初めて連ドラの主役を演じた香取だが、彼が役者として存在感を示したのはそれよりも前、野島伸司・脚本作『未成年』(1995年)の主要キャストのひとりである、知的障害を患う青年・デク役を演じたときだった。複雑な内面とピュアネスを兼ね備えた難しい役どころを、瑞々しく演じた香取。その後、岡田惠和・脚本作『ドク』(1996年)で演じたベトナム人青年役など、当初の彼のイメージは、脆さを内包した「ピュアネス」が、その基調となっていたように思う。

 そんな彼のキャリアに大きな転機をもたらせたのは、2000年に一世を風靡したキャラクター「慎吾ママ」の存在だろう。バラエティ番組発のキャラクターでありながらCDデビューを果たし、のちに単発ドラマまでもが作られた大ヒット・キャラクター「慎吾ママ」。子どもたちを中心に高い人気を誇り、その決めフレーズ「おっはー」が流行語になるなど、一大ブームを巻き起こした「慎吾ママ」で彼が見せたコミカルな持ち味は、やがて三谷幸喜の目にとまり、大河ドラマ『新撰組!』(2004年)の主役をはじめ、昨年の映画『ギャラクシー街道』に至るまで、長きにわたって蜜月関係を取り結ぶようになる。香取慎吾=「コメディ」のイメージが強いのは、三谷幸喜の存在も大きいだろう。

 その一方、もうひとつ忘れてはならないのは、これまた子どもたちを中心に高い支持を獲得し、平均視聴率23.2%という、当時としても驚くべき数字を弾き出したドラマ『西遊記』(2006年)で彼が演じた「孫悟空」の存在だ。その脚本を書いていたのが坂元裕二だったというのも、今となっては不思議な気がするけれど、それ以前から、映画『NIN×NIN 忍者ハットリくん THE MOVIE』(2004年)など、漫画の実写化の主演も務めていた彼は、2009年のドラマ(のちに映画も作られた)『こちら葛飾区亀有公園前派出所』では主人公・両津勘吉を演じるなど、いわばコスプレにも近い「非日常」の役どころを演じることが多かった。

 つまり、彼は「慎吾ママ」以降、ある「人物」を演じるというよりも、あるエクストリームな「キャラクター」を演じることの多い役者として、世の中から認知されるようになっていったのだ。思えば、『新撰組!』で演じた近藤勇も、そういう意味では「キャラクター」のひとつだったのかもしれない。とはいえ、そのあいだにも、『未成年』以来十数年ぶりにタッグを組んだ野島伸司・脚本作『薔薇のない花屋』(2008年)では、過去に傷を持つ孤独な男性を演じたり、フジテレビ開局50周年ドラマ特別企画『黒部の太陽』(2009年)で、主役のひとりを雄々しく演じたりしているところが、「役者」香取慎吾の捉えどころの難しさではあるのだけれど。

     
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