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『ロマンス』主演・大島優子インタビュー

日本で一番ロッカールームが似合う女優!? 大島優子が語る、卒業後初主演映画『ロマンス』の手応え

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 映画ファンとしてタナダユキ監督の新作を見逃すという選択肢はハナっからないわけだが、今作『ロマンス』最大の驚きは、やはり主人公の鉢子を演じた大島優子の素晴らしさだろう。昨年度の各映画賞の助演部門を総ナメにした吉田大八監督『紙の月』でも、その女優としてのポテンシャルの高さは証明済みだが、役と見事にハマった時に見せる静かなる爆発力を『ロマンス』はこれでもかと見せつけてくれる。

 東京と箱根を結ぶロマンスカーの車内アテンダントを主人公にして、人生の道に迷った中年男と20代女性の交流を描く。その物語の設定も秀逸だが、なによりもその軽妙な会話劇としてのクオリティにおいて、この極めて日本映画的な舞台設定を持つ作品は、世界中のどこにもっていっても大いにウケるに違いない普遍性を獲得している。リアルサウンド映画部はそんな本作『ロマンス』を大プッシュすべく、主演の大島優子、そして監督のタナダユキに単独インタビューを敢行。まずは、大島優子が本作『ロマンス』で得た女優としての確かな手応えについて語ってくれた。(宇野維正)

「映画は私の『どこにでもいそうな感じ』を引き出してくれる」

——これはお世辞で言うわけでもなんでもなく、昨年観た邦画でベスト5に確実に入るのが『紙の月』で、今年観た邦画でベスト5に確実に入るのが今回の『ロマンス』で。気がつけば、そのどちらの作品でも大島優子さんが非常に印象的な演技をされていて。

大島優子(以下、大島):ありがとうございます。そう言っていただけて嬉しいです。

——というか、今回の『ロマンス』は主演作なので、大島優子の作品とも言えるわけですが。こうなってくると、現在の日本映画界において大島さんが強い「引き」を持った女優だとしか言いようがないわけです。

大島:すごくいい出会いに恵まれているというのは自分でも感じています。多分、私は“明るくて溌剌としている”というようなパブリック・イメージがあると思うんですが、映画のプロデューサーさんや監督さんの中には逆の発想をしてくださる方がいらっしゃるんです。暗かったり、地味だったり、寂しそうだったり、悲しそうだったり、貧相だったり……。そういう自分の中にある「どこにでもいそう」という感じを引き出してくださっているような気がしています。「こういう役をやらせてみたらおもしろいかもしれない」って思っていただけることが、すごく嬉しいです。

——大島さんが女優としてすごいところは、これだけ日本中の誰もが知っているタレントなのに、スクリーンに出てくるとその記名性がパッと剥がれて、匿名的な存在になれるところだと思うんですよね。

大島:ありがとうございます。ただ、今回の『ロマンス』はちょっと自分にとって特殊な作品で、台本を2、3回読んだだけで、スッと役に溶け込むことができました。何の違和感もなく、台詞がほとんど入ってきたんです。他の作品だったら「うーん、この台詞、普段の私だったら言うかな?」みたいな疑問が浮かぶこともあるんですけど、今作はすべて自然に入ってきて。役作りも特にしていないんです(笑)。

——でも、これは推測ですけど、必ずしもあの主人公が普段の大島さんに近いかっていうと、そんなことはないような気がするんですけど。

大島:うーん、そうですね。でも、ローテンションな時は鉢子のような感じだと思います。

——ハイとローの比率は、普段どんな感じなんですか?

大島:普段はほとんどローかもしれません。

——じゃあ、結局は普段の大島さんと近いってことですね(笑)。

大島:そうですね。役のために気持ちを切り替えたりする必要がなかったのは確かです。

——『紙の月』に続いて今回の『ロマンス』でもロッカールームがわりと象徴的なシーンとして出てくるじゃないですか。これは失礼なキャッチフレーズかもしれませんが、今回あのシーンを観ながら、「日本で最もロッカールームの似合う女優」だなって思ったんですよ。

大島:アハハハッ(笑)。私もそう思います(笑)。

——器用な女性と不器用な女性、キャラクターは2つの作品で全然違うんですけどね。

大島:共通点は制服とロッカールームですね(笑)。

——そうそう。それも、飛行機の客室乗務員とか看護婦とか、そういう男心をくすぐるような派手系の制服ではなくて、銀行員とかロマンスカーの売り子さんといったーー。

大島:ロッカールームって人がオンとオフを切り替える場所で、それって、人が一番素に戻る場所でもあると思うんです。だから役柄の素性を見せやすいんでしょうね。それに、女性だけの空間ですし。

——そうですね。男にとっては、日常的には禁断の領域ですからね。

大島:そうですよね。だから、映画で描きたくなる理由もわかるし、その場所に似合うというのは、すごく嬉しい言葉ですね。女性がみんな素にならざるを得ない場所に、自分は馴染みやすい人なんだなぁって(笑)。

     
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