チャオ ベッラ チンクエッティ、12年の活動に区切り 後輩にも受け継がれる“タフな精神”

 チャオ ベッラ チンクエッティが、2018年8月2日のワンマンライブをもって解散することを発表した。“チャオベラ”の愛称で親しまれ、12年にわたり活動してきた彼女たちは、アイドルファンだけでなくアイドルからも支持されてきた。そこでチャオベラはじめハロー!プロジェクトの動向に詳しいライターの青山晃大氏に、これまでのグループの歩みや魅力などについて聞いた。

『ハイテンション! 我っが人生! /轍』(通常盤A・ハイテンション! 盤)

「彼女たちは、ハロプロエッグ(現ハロプロ研修生)の2004年の1期生オーディション合格者で、チャオベラ(当時はTHEポッシボー)はハロプロエッグ内で最初にできたグループでした。その後2007年にハロプロエッグを卒業して、つんく♂さんが社長を務めるTNXという会社の所属になりました。TNXのアイドルプロジェクト・NICE GIRL プロジェクト!の看板的な存在として活動していましたが、地道にフェスに参加したり、路上ライブを行ったり、ビラを配ったり……と決して順風満帆ではありませんでした。ハロプロを離れて、難しい立ち位置でずっと活動してきた印象です。そして、つんく♂さんがハロプロの総合プロデューサーを降りた2015年にNICE GIRLプロジェクト!やチャオベラがアップフロントの所属に戻り、THEポッシボーからチャオ ベッラ チンクエッティ(=イタリア語で美少女5人組)に改名して再出発することになりました。それからは『ハロコン』の前座に出演するなど、再びハロプロのグループとも関わるようになっていきました」

 青山氏は今回の解散について驚きはあったものの、長年のグループ活動に一区切りついた上での決断なのではないかと推察する。

「THE ポッシボーからチャオベラに改名後すぐ、メンバーの秋山ゆりかさんが卒業して4人になった時など、今までも解散しそうな時期は何回かあったように思います。ですがそこから3年、4人で活動してきて、順調という印象でした。そういう意味で驚きはありますが、それ以上に12年という長い間よく走り続けてきたな、と。これからソロで活動するための解散のようですし、グループでやれることはやりきったという実感もあるのかもしれません」

 では、そんなチャオベラのグループとしての魅力はどのようなところにあったのだろうか。

「特に初期は『主食 = GOHANの唄』など、つんく♂さんの曲の中でも濃いところが詰まったような、アイドルに向けてしか書けないような楽曲が多く、他のグループと一線を画していました。アップアップガールズ(仮)のメンバーや、スマイレージ(現アンジュルム)の初期メンバーもいたハロプロエッグの1期生の中でも年上で生え抜きの優秀な子たちが組んだグループなので、スキルは高く、パフォーマンスも圧倒的。ハロプログループは良くも悪くもガツガツしない、優等生的なイメージですが、チャオベラは苦汁を舐めてきた部分もあり、ガツガツとチャンスを取りに行くような印象です。吉川友さん、アップアップガールズ(仮)、仙石みなみさんとはチーム・負けん気というグループを組むなど、ハロプロから離れても負けずにやっていこうとする、タフところも魅力だったのではないでしょうか」

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