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アルルカン、“次世代名古屋系”という新たな個性 90年代以降シーンの変遷から考える

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 2013年10月の結成以来、凄まじい勢いでシーンを駆け上がるバンド・アルルカン。結成から1年3カ月後に開催した恵比寿リキッドルームでのワンマンを完全ソールドアウトし、今年12月にはZepp Tokyoで5周年記念ライブを開催することも決定している。アルルカンは暁(Vo)、來堵(Gt)、奈緒(Gt)、祥平(Ba)、堕門(Dr)の5人編成で、結成当初から“次世代名古屋系”を掲げ活動している。今回はこの“次世代名古屋系”というワードから、アルルカンについて考えていきたい。

“名古屋系”の変遷

アルルカン『exist』(TYPE A)

 そもそも名古屋系というものは90年代前半に名古屋を中心に活動したSilver-Rose、黒夢、FANATIC◇CRISIS、Laputa、ROUAGE、Merry Go Roundといったバンドが作り上げたヴィジュアル系におけるサブジャンルの名称のひとつである。当時、この名古屋系バンドに共通していた点が「ポジティブパンクの影響を受け、ゴシックの要素が強く、一般的なヴィジュアル系バンドに比べて陰鬱で歌詞が暗く重いダークでハードなバンド」であり、90年代後半から2000年代前半のバンドに強い影響を及ぼした文化である。

 アルルカンに名古屋系に共通する部分は決して多いとは言えない。それなのになぜ彼らは“次世代名古屋系”を名乗るのか。それは名古屋系という文化の定義の変遷によるものだと私は考える。

 コンポーザーの奈緒は名古屋系について「激しさと切なさが両立する音楽」と表現している。名古屋系バンドの定義は前述の通りだが、90年代のヴィジュアル系ブームもあり、ジャンル全体の音楽性がよりメロディアスに、その中でも名古屋系バンドは哀愁のある切ないメロディを歌うバンドが多かった。メジャーデビュー当時の黒夢をはじめ、「ダーク、ハード、メロディアス」をコンセプトに活動していたLaputa、Laputaとともに名古屋系二大巨頭と呼ばれたROUAGE、のちにヴィジュアル系四天王の一角としてポップセンスをいかんなく発揮したFANATIC◇CRISISと、名古屋系バンドは激しくも切ないメロディを歌うという認識を持たれるようになった。また、2000年を過ぎたあたりからDIR EN GREYの影響もあり、チューニングを下げ、よりヘヴィな音を出すバンドが増え、激しい音がハードからヘヴィに置き換わっていく流れも見逃してはならない。その影響はもちろん名古屋にも及び、かつての名古屋系の要素を持つバンドのほとんどが姿を消し、名古屋系の血統は途絶えたと言っていいだろう。

 そんな2000年代に台頭してきた名古屋出身バンドの代表格がlynch.である。彼らも先人たちと同じように硬派な雰囲気とメロディアスな要素を持っていたが、絶対的に出す音が違った。実際に葉月(Vo)もlynch.のことを「名古屋系ではない」と話しており、出す音に関しても「名古屋系にはモダンなヘヴィネスを追求してほしくない」と語っている。しかし、彼らにも少なからず名古屋系の遺伝子が存在するのは事実であり、そのlynch.の背中を追ってきたアルルカンも同様に脈々と受け継がれる名古屋系の遺伝子を持つバンドだと言えよう。ただ、これまでの名古屋系バンドと比べて、何かが足りなかったり、逆に何かが多かったり、ベクトルの向きが少し違うということなのではないかと思う。

      

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