『buzz★Parade』インタビュー
buzz★Vibesが語る、ユニットの未来 森久保祥太郎「進めば進むほどやりたいことが増えていく」
人気声優/アーティストとして活躍するM.K.Bこと森久保祥太郎と、SOUL'd OUTでの活動を経て様々なアーティストへの楽曲提供を行なうShinnosukeによる音楽ユニット、buzz★Vibes。2017年7月に富士急ハイランド・コニファーフォレストで開催された『Original Entertainment Paradise -おれパラ- 10th Anniversary ~ORE!!SUMMER~』で突如ステージに登場して話題を呼んだ彼らが、デビューミニアルバム『buzz★Parade』を完成させた。
フィリーソウルを基調にキラキラとしたポップ・ミュージックを展開する1曲目「buzz★Parade」を筆頭に、ファンキーなカッティング・ギターと歌心が絡み合う「Screamin’ 2nite」、森久保祥太郎のソロ名義での楽曲「CHAIN REACTION」のギター・リフをランDMC&エアロスミスの「Walk This Way」のような雰囲気で再解釈した「Buzzin’ [Re:CHAIN REACTION]」など、収録曲はどれもバラエティ豊かな楽曲ばかり。
2人の間に起きた様々な化学反応や、このユニットのこれからの可能性に胸躍らせたくなるような、巨大なワクワク感が全編に詰まっている。その制作過程について、2人に聞いた。(杉山仁)
森久保祥太郎「『buzz★Parade』は、本の書き出しくらい」
――まずはじめにbuzz★Vibes結成の経緯を教えてください。
Shinnosuke:『森久保祥太郎』が、ランティスでソロ活動して10年を迎えたので、ここでちょっと違ったことをやりたいと思ったんでしょうね。彼はいろんな音楽が好きだけど、ロックでハードなイメージができてたので。ほかのジャンルもできる環境、別名義で歌えるユニットを以前から探していたそうなんです。
森久保祥太郎(以下、森久保):別名義でやらせていただきたいなって思ったのは、5年ぐらい前で、ずっとプロデューサーに提案してたんですよ。2、3年ぐらい前には、buzz★Vibesっていうユニット名ごと構想を練り始めていました。buzz★Vibesという名前はもう、画数最高ですから。調べたんですよね。姓名判断で。
Shinnosuke:大成功の名前なんだってね?
森久保:★がないと5画足んなくて、志半ばで終わるっていう未来なんですって。大文字と小文字の意味もあって、ちゃんと。
――Vが大文字ですもんね。
森久保:そうです。それで画数変わるんで。
Shinnosuke:ユニット名も含めて相当あっためてたんだねぇ。
森久保:そう! 僕は元々ソロなので、相方なのかバンドなのか、一緒に組む人を探そうと思ってて。
Shinnosuke:僕は僕でSOUL’dOUTというグループで活動していて、ランティスには作家活動でお世話になっていました。最初に「とりあえず森久保祥太郎が人を探してるから会ってみない?」と言われて、スタッフも含めてみんな同世代だし、なんか面白い音楽話になって繋がればいいな、っていう感じのテンションで会合に参加したんです。あわよくば楽曲提供させてもらえるかなって。でも、どうやら彼はちゃんとメンバーを探してたみたいで(笑)。
森久保:僕は、どんなお相手かしら? とお見合い気分で、その飲み会に行きました。そうしたら、「青春時代どんなん聞いてた?」みたいな話題になって、楽しくて。buzz★Vibesは、今までやってきた活動とは別のものなので、それをどういう形でやるのが一番いいのか探り探りでした。だから、出会いも含めて時間がかかってたんだけど、その飲み会で何かの扉が開いたんですよ。
ーー去年buzz★Vibesが世の中に出た時には、森久保さんのロックなイメージとも、SOUL'dOUTのアーバンでファンキーなヒップホップのイメージともまた違う雰囲気だったので、本当にびっくりしたんですよ。
Shinnosuke:ありがとうございます。それは嬉しいです。
森久保:青春時代に聴いて影響を受けた、当時のかっこいい大人たちの音を、実際に大人になった僕らがやってみたら面白いかなっていうのが、コンセプトの一つにあったんです。僕もヘビーロックだけじゃないし、シンちゃんも本当に幅広く色々音楽を作ったり聴いたりしてる人だから。普段メインストリームでやってることや作家活動だけでは消化しきれない、もっと本質的な部分を吐き出すという感じで、いろいろ合致できたんだと思います。
――二人とも曲が作れるからこそ、深い話もできるのではないでしょうか?
森久保:そうですね。だからイメージの共有はすごくしやすいです。
――buzz★Vibesが、今やっている音楽性にたどり着くまでの過程も教えてください。
森久保:たどり着いたというか……まだ序の口ですね。
Shinnosuke:いい意味で決めこまずに、こんなのもできるぞ、っていうか。
森久保:そうだね。まずシンちゃんが、今回の2曲目に入ってる「Screamin' 2nite」のデモを作ってきてくれて、いいじゃん! こういうこと! って、僕の中でなったんですよ。で、詞書いてレコーディングしたタイミングで、ちょうどランティス主催のフェス(『Original Entertainment Paradise -おれパラ- 10th Anniversary ~ORE!!SUMMER~』)があったんで、もうゲリラでやっちゃえって。そこでお客さんが、まったく初めて聴く曲なのに楽しんでくれてる姿を見て、僕は「本でいうと、まだ1ページ目にもいってない。本の最初に”はじめに”っていうのがあるじゃないですか。あれぐらいの曲です」って言ったんです。この曲で気に入ってくれるのはもちろんウェルカムだけど、それ以上の可能性を持ってることに期待してほしいっていう意味を込めて口にしました。だからこのミニアルバムは、本の書き出しくらいの気がします。これはミステリーなのか、サスペンスなのか、それとも恋愛小説なのかまだわからないんですよ。