板野友美が語る、選択の中にある“自分らしさ” 「作られた私ではなく、自分を残したい」

板野友美が語る、“自分らしさ”

 ソロデビュー8年目を迎えた板野友美が、10枚目のシングル『Just as I am』をリリース。テーマは“自分らしさ”で、板野自身がコンセプトや作詞を手がけた。MVでは、人生という荒野で悩みや葛藤を抱えながらも自分の道を見つけ、自分だけのストーリーを描いていくという歌詞の物語を、ロサンゼルスの自然と共に表現。海や山をバックに、感情のままに気持ちを吐露するように歌う板野の表情も見どころだ。また、先行して発売された写真集『Wanderer』もテーマを共有し、「Just as I am」と通じながらも、また違った表情を見せてくれている。「今の年齢だからこその歌詞が書けた」と話す板野。“ともちん”から板野友美へ。26歳の女性として、今何を想うのか?(榑林史章)

20代後半に差し掛かり生き方が変わった今の自分

ーー先日写真集『Wanderer』が発売されましたが、その写真集と板野さんご自身で作詞を手がけた新曲「Just as I am」、そしてそのMVは連動した作品とのこと。この企画はどこから?

板野友美(以下:板野):写真集を発売することが決まり、そのコンセプトが“自分らしさ”で、同じコンセプトで楽曲の制作もできたら、と。そこでまず、その“自分らしさ”とは何なのか? ということを考え、自分宛に手紙を書きました。自分らしさと言っても、自分でもどういうものなのかよく分かっていなかったし、普段自分を見つめ直したり振り返ったりする機会ってなかなかないので、改めて自分を知るいい機会になりました。それで、その手紙に書いた言葉を歌詞に反映して楽曲を作り、最終的に写真集とMVをロサンゼルスで撮影したという流れになります。

ーーそもそも、どうして“自分らしさ”をテーマにしようと?

板野:写真集自体を、昨年8月に発売した写真集『release』よりも、もっと情感を出して、素の表情を出したものにしたくて。撮影しているその時に感じた、そのままの表情を作品として残せたらと思っていました。それって素とかナチュラルということで、つまり“自分らしさ”なんじゃないかな、と。等身大と言うか、作られた私ではなく、1人の26歳の女性である自分を残したいと思ったんです。

ーー前回の写真集『release』の時は、どんなテーマがあったのですか?

板野:7年ぶりの写真集だったので、そのこと自体が大きなトピックだったし、写真集を通して7年前から成長した私を感じてもらうことがテーマみたいなものだったので、今回はその延長にあると言えます。ちなみに『release』はハワイで撮ったので、ハワイらしく水着の写真も多かったのですが、今回はテーマである“自分らしさ”を探す旅を追っていくようなものになっています。

ーー手紙を書いた時、「私ってこうなんだ」というような何か気づきはありましたか?

板野:今は26歳で、20代後半に差し掛かったわけですけど、単純に10代とか20代前半の時とは生き方が変わったなと思いました。しっかり将来のことを考えて生きている感覚です。以前のように今が楽しければそれでいいのではなく、数年後を見越して生きる、それが今の私なんだと。

 自分で道を選択しなければいけないのが人生。でも将来のことは、結果までは見えないから、のちに「この選択で良かったのかな?」と思うこともあるだろうけど、今この瞬間に選択しないといけないことがたくさんあって。そういう見えない将来を今選択することはとても難しいことだけど、自分の人生がかかっている大事な選択なわけだから、後悔はしたくないですよね。そんな人生の岐路に向き合ったとき、”今”を“自分らしく”精一杯生きる人の背中を押せるようなものになれたら嬉しいです。

ーーきっと何か自分の中にブレない芯を持っていれば、どんな選択をしても間違わない。それが自分らしさなんでしょうか?

板野:きっとそうなのかな。私は、その時の自分の感情を信じて、思いのままにと言うとおかしいけど、勘やインスピレーションみたいなものを大事に生きています。それは自分がこれまで生きてきた中で身についたものだと思うし、その直感をいちばん信じています。ただ大人になると、いろんな失敗を見たり聞いたりするので、勘だけを頼りにしていいのか慎重にはなりましたけど。10代のころは、何も考えずにその場で「これ!」って決めていて、「あれで合っていたのかな?」と、今になって不安を感じる時もありますけどね(笑)。

ーー経験を積めば積むほど、決断するのが怖くなる面もありますよね。

板野:そう。だからそんな時に、後押ししてあげられる曲があったらいいなと思ったんです。自分では、「自分の選択は間違っていなかった」と思えることのほうが多かったから、こういう自分らしい選択や決断を後押ししてあげられる曲を作ろうと思ったんじゃないかな。

ーー板野さんは、野生の勘がすごく働きそう。

板野:どうなんですかね。でも、ビビビと感じたものをやってきた気がします(笑)。

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