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レジーのJ-POP鳥瞰図 第20回

Perfumeと星野源、J-POPを開拓する2組に通じる点は? 相思相愛の共演から考える

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Perfumeが「If you wanna」で再びまとった「違和感」

 8月7日、Perfumeはラジオ「Perfume LOCKS!」で新曲「If you wanna」を初めてオンエアした。3分にも満たないコンパクトな形にまとめられたこの曲は、Perfumeのシンボルであるデジタルサウンドを基調としながら、そこで鳴らされるリズムは今までの楽曲とは一味違うものになっている。サビに該当するパートではボーカルが著しく後退する構成となっている一方で、楽曲全体を通してボーカルの加工度が下がり3人の生歌をしっかりと体感できる。

Perfume「If you wanna」

 新境地とも言うべきこの楽曲に対しては一部ファンから戸惑いの声も上がっていたが、3人もそういった反応はある程度は想定していたようで、ライブでの初披露となった『ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2017』では歌唱前にこの曲の「ノリ方」についてのインストラクションがあり(この時はその説明がうまく伝わらず、あ~ちゃんも反省していた)、またテレビ番組出演の際には「フューチャーベースという新しいジャンルです」と明言していた。

 フューチャーベースが本当に「新しいジャンル」かどうかはさておき、今回の楽曲はPerfumeにとって非常に重要な意味を持っているように思える。それは、この曲がかつての3人にとっての武器だった「違和感」を持っているからである。

 早耳の層から支持を集め始め、「ポリリズム」でブレイクを果たし、そこから今に至るまで着実にグループとしての地位を築いてきたPerfume。その道のりはつまり、「世間がPerfumeに慣れていく歴史」でもあった。ことさらに自分たちの凄さをアピールしない3人だからこそその周囲には温かいファンの輪が生まれたが、そんな過程の中で多くの人たちはPerfumeが実現することをなかば当然のものとして受け入れるようになっていった印象がある。ロックフェスで大トリを務めても、コンスタントに海外ツアーを展開しても、『COSMIC EXPLORER』というキャリアハイを大幅に更新するようなアルバムを作っても、その後の「TOKYO GIRL」「宝石の雨」で海外のトレンドを取り入れた楽曲を発表しても…その仕草がナチュラルであるがゆえに、彼女たちが成し遂げてきたことのインパクトはどうにもダイレクトに届きづらかった(オリコン1位を獲得したものの内容面でそこまで大きな話題を呼ぶことはなかったような印象もある『COSMIC EXPLORER』が『RollingStone』の「20 Best Pop Albums of 2016」でブルーノ・マーズやアリアナ・グランデなどと並んで16位に選ばれた、というギャップが象徴的である)。それゆえか最近は「最新テクノロジーとPerfume」という視覚的に違いがわかりやすい側面がフォーカスされることも増えているが、本来はそれ自体がPerfumeの本質では決してない。

 そんな中で今回リリースされた、サウンド面でのはっきりとした違いを体現している「If you wanna」。この曲がテレビの歌番組でパフォーマンスされる際、そこには確かな違和感がある。予定調和を覆すこの雰囲気は、「ポリリズム」がメインストリームで鳴らされた際に多くの人が感じたであろう不思議な感触に近いものがあるのではないだろうか。

 いよいよメンバーが30歳に近づき、アイドルグループとして文字通り前人未到の場所に向かおうとしているPerfume。今回の楽曲では、ダンスや衣装などで大人の女性としての魅力もふんだんに表現されている。彼女たちの新しさ、凄まじさが改めて伝わるきっかけとして、「If you wanna」は機能するだろうか。

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