乃木坂46 西野七瀬は涙の分だけ成長してきた 映画『あさひなぐ』とグループの親和性

 乃木坂46の西野七瀬が主演を務める映画『あさひなぐ』が、9月22日に公開された。同作の主題歌「いつかできるから今日できる」を表題曲に収録した19thシングルは、舞台『あさひなぐ』主演の齋藤飛鳥、そして映画主演の西野の2人がWセンターを務めている。

乃木坂46『いつかできるから今日できる』(初回仕様限定盤Type-A)

 『あさひなぐ』は、元美術部で運動音痴の東島旭が、二ツ坂高校の薙刀部に入部し、仲間たちと共にインターハイ全国大会を目指す物語。舞台、映画共に原作のキラキラとしながら、それでいて熱いストーリー性を映像化している。「薙刀」は古くから女性のたしなむ武道とされており、「私立校のお嬢様」といったイメージが定着している乃木坂46にとって、『あさひなぐ』は極めて親和性の高い作品であったように感じる。

 特に、映画版で西野が演じた旭は、西野自身にある背景までもがダブって見えた。西野は単独センター3回、Wセンター3回、『non・no』専属モデルと、今や天井知らずの人気を誇るグループを代表する顔であるが、ここまでの道は決してなだらかではなかった。

 まず思い出すのは、デビューシングル『ぐるぐるカーテン』の選抜発表時のこと。今から見ると驚きであるが、西野のポジションは3列目。自信のなかった彼女は、選抜入りができたことに嬉し泣きをしていた。そして、乃木坂46がシングルを発売する度に行っている「シングルキャンペーン」。この時、まだ無名だった乃木坂46は、「全国弾丸PRツアー」と題し道行く人々にティッシュを配った。通行人に冷たい態度を取られた西野は、恐怖のあまりにティッシュを配ることができず泣いてしまう。

 『乃木坂工事中』(テレビ東京系)は、前身番組『乃木坂って、どこ?』からデビュー前の彼女たちに密着し、成長を見守ってきた番組だ。その中で、西野は話を振られてはエピソードトーク(「太ったハトを見るのが好き」)の自信のなさに泣き、当時西野にとって“高いところ”にいて喋りづらかった白石麻衣と打ち解けられず橋本奈々未の胸で泣いた。そんな西野を大きく成長させた“涙”が、初めてセンターを務めた8thシングル『気づいたら片想い』でのシングルキャンペーンにて、233mあるマカオタワーからバンジージャンプをした時だろう。番組内で何度も泣き顔を見せてきた西野が、勇気を振り絞って飛び立つ姿は“今まで見たことのない西野”であった。

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