ぴあ、国内初の音楽特化型アリーナを建設へ 同社に聞く、計画の背景とビジョン

ぴあ、音楽特化型アリーナのビジョンは?

 チケット販売事業などを行う、ぴあ株式会社が7月20日、収容客数1万人規模の音楽に特化したコンサートアリーナを、横浜市のみなとみらい地区に建設することを発表した。1万人規模のアリーナ建設と運営を民間企業が行うのは、国内初となる。

 ぴあは、アリーナ建設の理由として会場不足問題の解消を挙げている。また、音楽業界のニーズをくみ取り、観客とアーティストの双方にとって、その環境や使い勝手を最適化した新しいタイプの音楽アリーナの実現を目指すと説明。リアルサウンドでは、ぴあ株式会社 広報室の糸井章悟氏に、アリーナ事業に踏み出したきっかけや、今後のビジョンについて聞いた。

「弊社ぴあ総研の集計によれば、1万人~3万人規模の公演の市場規模が、2010年~2015年にかけて約2倍に増えています。実数にすると、2010年は418公演だった公演数が、5年後に831公演に増えているにもかかわらず、同等のキャパシティの会場は新設されていません。同規模ですと、横浜アリーナ、日本武道館、国立代々木競技場 第一体育館などがありますが、どれも稼働率が非常に高いようです。弊社としても、社業を通じた社会問題への貢献をビジョンに会社を運営しているため、会場不足問題の一助になればと思い、今回プロジェクトを進めさせていただきました」

 また、民間企業が大型ライブ施設を設計、運営する意義を「ジャンルに特化した設計ができるのは民間企業ならでは」であると同氏は続ける。

「今のところ、音楽に最適化したアリーナはありません。行政や自治体が主導する場合は、多目的な用途に対応するものがほとんどで、今回のようにジャンルに特化した施設設計ができるのは民間企業ならではと言えます。また、弊社は立場上、興行主様とお客様、アーティストのニーズを直接伺うことができます。音楽業界の方々と密に連携を取りながら、業界全体の活性化に繋がるようなアリーナを実現できれば。それと同時に、エンタメ関連施設が多い横浜やみなとみらいには文化情報発信拠点としての魅力も持っているため、その特色を活かしながら地域活性化も図れればと考えています」

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