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『SINNERS-EP』インタビュー

lynch.が語る、活動再開から新作完成までの一部始終「あいつがいたことも事件のことも全部背負う」

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 lynch.が、5月31日にニューEP『SINNERS-EP』をリリースした。

 昨年末、ベーシストの明徳がバンドを脱退し、活動を自粛していたlynch.。だが、今年2月より4人体制で活動を再開し、4月18日には新木場STUDIO COASTで復活ワンマンライブ『THE JUDGEMENT DAY』を開催。そして今作は、ベーシストとして、J、人時、T$UYO$HI (The BONEZ / P.T.P)YOSHIHIRO YASUI(OUTRAGE)、YUKKE(MUCC)の5人がレコーディングに参加して制作された。

 活動自粛期間、4人はどう過ごしていたのか。そして今、「4人のlynch.」をどう捉え、音楽へと昇華させたのかーーメンバー全員インタビューで、『SINNERS-EP』完成に至るまでの道のりを、じっくりと語ってもらった。(編集部)

「『どう復活するのがベストか?』をずっと考えていた」(葉月)

葉月

ーー昨年11月末からしばらく活動自粛が続きましたが、正直lynch.の活動がここまで目に見えて止まることは初めてでしたよね。活動休止中は皆さん、バンドとどのように向き合い、この先どうしたいと考えましたか?

葉月:ベースの明徳の脱退で活動休止が突然訪れたわけで、急に暇になってしまったのでどうしようかなと思って。だけど、そこはもうどうにもならないので、普段できないことをやろうと、今まで行ったことのない土地に旅行に行ったりしました。実は頭の中は意外と……まぁびっくりはしましたけど、意外とさっぱりしていて。「lynch.がどうなっちゃうんだろう?」とか「どうしたらいいんだ?」というのはなくて、一旦自粛期間を設けたのちに復活する、そうなるんだろうと思っていました。そもそも復活以外の選択肢は僕の中にはなかったし、だったら復活するにあたって「どう復活するのがベストか?」をずっと考えていました。じゃあ、出す予定はなかったけどCD出さなきゃなとか、予定にないライブを追加しなくちゃなとか。それが新木場STUDIO COAST(4月18日に同会場で行われたライブ『THE JUDGEMENT DAY』)だったんです。で、ただ普通にCDを出したりライブをしたりするだけじゃ面白くないから、だったらCDではベーシストを1曲ずつ変えて、ライブもひとりじゃなくて4人のベーシストにいっぺんに出てもらおうと。とにかく、どう復活すればファンがより悲しまず、かつ今回の事件で知った人もファンに獲得できるようなインパクトを出せるのかと、ずっと考えてました。

悠介:僕は事件が発覚して、突然のことだったのですごく動揺もしました。僕自身が精神的に強い人間ではないので、すごく落ち込みましたし。なので、去年の12月から1カ月間は楽器もほとんど触らず、ずっと潜ってましたね。だけどいつまでもそういうわけにはいかないですし、残ったメンバーで進んでいかなければいけないわけで。今までまるまる活動しない期間があるって機会もなかなかなかったので、まずは自分の気持ちに整理をつけるために遠出もしましたし、そこで得たものをもとに曲を作ったりもしたし、とにかく自分をリセットするところから始めました。それからこの先にやることが決まってきたので、あとはそれに向かっていったという感じですね。

玲央:事件が起こって謹慎しなければいけないという状況を迎えて、僕はあくまでも謹慎は謹慎として過ごそうと思いました。頭の中ではどう再開するのがファンの子がダメージ少なく喜べるのか、なおかつ明徳がいないからこそできることってなんだろうというのを考えながら過ごしてましたね。再始動のライブのときにも言ったんですけど、極力人と会わず……逆にそういう機会ってないし、人と会わないとどうなるんだろうと思って。必要最低限の買い物のときも帽子とマスクで誰にも悟られないように過ごしてましたけど、だからこそ再始動ライブで大勢の前に出たときに、やっぱり感動というか、ライブができることのありがたみをより痛感できました。あくまでも、僕ら自身が悲劇のヒーローにはなってはいけないし、傷ついたファンの子をどうプラスの方向に持っていけるかということばかり考えてました。

晁直:去年はバンドとして勢いづいて、ものすごい疾走感で上がってきたという実感があったし、そこでの急ブレーキだったので、lynch.にも大打撃だと思ったし、ファンにも打撃があったと思う。だから早く活動再開したいとは思ってたんですけど、でも謹慎は謹慎なんで、とりあえず最短でいつできるのかなとずっと考えていました。周りの人たちはすごく心配してくれたんですけど、僕はそんなに落ち込んだりはしてなくて。逆に再始動に向けて手を尽くしてくれたスタッフ周りの人たちを本当にバタバタさせてしまって、そこは申し訳ないと感じつつ、すごくありがたいと思いました。

ーー聞くところによると、ファンクラブの会員数も活動休止中に増えたそうですね。

葉月:そうなんですよ。普通は減りますよね(笑)。

ーーそういう感覚はありますよね。ということは、今までファンクラブには入らずに応援していたファンがlynch.をそれだけ支えようと思ったってことですもんね。

葉月:本当にありがたいですよ。

「もうlynch.はこのメンバーだけで完結できるものじゃないんだ」(葉月)

晁直

ーー新木場STUDIO COAST公演には人時さん、Ryoさん(defspiral)、天野攸紀さん、Natsukiさん(DuelJewel)と4人のベーシストが参加したわけですが、そのアイデアもすごいですよね。

葉月:5曲ずつで交代していきました。でもライブ直前までは発表していなかったので、それによってお客さんを呼びたいとかそういうことではなくて。なにかこう、明徳のファンがかわいそうだなと思ったんです。サポートで違うベーシストがひとりポンとステージに立って、その人がずっと弾いてりゃそれでいいんでしょうけど、「ああ、いなくなっちゃったんだな」っていうのを見せつけられるというか。もっと気を散らしたかったんですよね。めまぐるしく変わって、「なんだ、なんだ」って。そっちのほうが面白いと思ったし、明徳のファン、lynch.が好きな人も気が紛れるんじゃないかって気がしたんです。

玲央:ひとり固定にしたら「この人がそのまま立ち続けるんじゃないか?」っていう、変な詮索も生まれるでしょうし。そういった部分で葉月から提案をもらったときに、無茶な話だけど面白いよねと思いました。あとは、どうライブの進行を妨げることなく楽器のスイッチングをしていくかとか、実現に向けた試行錯誤や模索があったんですけどね。

ーー実際あの日、久しぶりにお客さんの前に立ってみて、まず何を感じましたか?

葉月:休止中にファンのことを考える機会が多くて。「楽しみを取り上げちゃったな、悪いことをしたな」っていう思いがあったんです。今まで僕の中では……当然お客さんに感謝はしていたんですけど、lynch.というのは自分が好きな音楽をやるために立ち上げたバンドで、メジャーと契約してますけど「好きなことをやりますよ」と、自分の音楽を貫くためのバンドみたいな思いが強かったんです。でも、謹慎が明けてパンパンのCOASTでお客さんの顔を見たら、顔は笑っているのに泣いてる人がめちゃめちゃいて。その嬉し涙を見たときに、「ああ、もうlynch.はこのメンバーだけで完結できるものじゃないんだ」と初めて思ったかもしれない。例えば、僕らが「音楽ちょっと飽きちゃったんですけど」ってことがあったとして、そんな理由で終わせちゃいけないものになってしまったんだなと。いや、「なってしまった」というか「なれたのかな」という気がして、それはすごく嬉しかったですね。すげえバンドをやれてるんだなって。

ーーきっかけはどうであれ、そこに気づけることってすごく幸せなことですよね。

葉月:うん、そうですね。普通に感謝しているだけだと気づけないところだから。

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