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「Nujabesの音楽がなければ日本に来ていない」 Matt Cabが振り返る、日本の文化から受けた影響

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  Matt Cabが、4月12日に初のベストアルバム『HIStory』をリリースした。同作は2010年のデビュー作『The One』からこれまでのキャリアを総括するもので、全曲をリマスターし、さらに「Our Dream」などの新曲も多数収録。Che’Nelle、CREAM、MACO、SWAY(DOBERMAN INFINITY)、VERBAL(m-flo/PKCZ(R))、WISEがフィーチャリングゲストとしても名を連ねる豪華な一枚となっている。

 リアルサウンドでは今回、オフィシャルインタビューとあわせて彼のキャリアを振り返るインタビューを行ない、10年前に初めて交換留学生として日本を訪れて以来の音楽家人生や、彼とYouTubeの関係性、新曲の解説や意外な将来のプランなどについて、じっくりと語ってもらった。

「いろんなものを吸収しているうちに、日本人っぽさが身についてきている」

ーーベストアルバム『HIStory』を聴いて驚いたのですが、Mattさんはこれまで多くのオリジナル曲をリリースしているので、てっきりオリジナル曲オンリーで作ってくると思ったんです。でも、カバー曲も多く収録されていて。この意図からまずは教えてください。

Matt:ベストアルバムのコンセプトを決めるときに、今までリリースした曲を数え直したら100曲以上あって。色々チョイスはできたんですけど、僕はカバーをするときにオリジナルへのリスペクトを忘れずに自分流のアレンジをしてMatt Cabの音楽としてリリースしているので、その曲に思い出を感じてくれる人も多いので、カバーもたくさん収録することにしました。あとは僕がYouTubeに上げているカバー動画で僕のことを知ってくれた人も多いから、というのもありますね。

ーーもともとジョーダン・ナイトにYouTube経由でフックアップされたりと、Mattさんの音楽家人生においてYouTubeは大きな役割を果たしていますからね。

Matt:よく知っていますね(笑)。アメリカでビートボックスをやっている友人と気楽にカバーをして、YouTubeにアップしたらあっという間にバズって、ジョーダン・ナイトさんからお誘いをもらいました。

ーー先日はカルヴィン・ハリス「Slide」のカバーがかなり拡散していましたよね。(取材時点で24万回)

Matt:初めてYouTubeにカバーをアップした時くらいの盛り上がりですね。カバーは実験というか、曲を聴いて、自分の魂を入れて違うものに作り上げるのが楽しいです。元々エンジニアリングに興味があって専門学校に行ったりもしていたので、ただの音楽オタクです(笑)。

ーーそもそも、アメリカでソロキャリアを継続するのではなく、なぜ日本で活動をすることになったのでしょうか。

Matt:実はYouTubeで動画をあげるようになる前から日本には来たことがあって。交換留学で上智大学に1年間だけ通って、アメリカでソロのキャリアをスタートさせたんですけど、日本が大好きになって「戻りたい!」と思うようになって、英会話の先生の仕事で再来日しました。

ーーそこからデビューまで進んだきっかけは?

Matt:来日してすぐ、YouTubeの動画を見た今の事務所の社長が声をかけてくれたんです。アメリカにいると思って連絡をくれたんですけど、「いま日本にいます」と返事したら驚かれました(笑)。その時はいろんなところからお誘いをいただいていて、最初は怪しいなと思いながら話を聞いていたんですが、話を聴き終わったときには「ここでやっていくべきだ」と確信しましたね。

ーーMattさんにとって、アメリカと日本の音楽における決定的な違いを挙げるとすると?

Matt:似てるけど似てないというか。サウンドは似ているものもあるんですけど、文化の違いだけで曲の感じが圧倒的に変わるんだなと思いました。ただ、歌詞に関しては完全に違うかもしれません。アメリカはストレートに恋愛のことを歌うポップスが多いのですが、日本は遠回しにしたり、出てくる登場人物の関係を複雑にしがちなんです。例えば、back numberとかRADWIMPSのような歌詞を書くアメリカ人はいないというか。

ーーなるほど。元々日本に興味があったということですが、原体験にはどんな日本のコンテンツが関わっているのでしょう。

Matt:アメリカに住んでいた中学生のころ、ケーブルテレビで日本の番組をやっていて、『HEY! HEY! HEY!』を観たりしていました。全然違う文化が面白くて、行ってみたいなとずっと思っていたんです。

ーー最新曲「Our Dream」がどの楽曲よりもJ-POP風だと感じたのですが、やはりデビュー10年がたって、どんどんMattさん自身が変化しているということなんでしょうか。

Matt:もうすぐ30歳になるんですけど、日本に来たのが20歳なので、人生の3分の1を日本で過ごしているわけで。いろんなものを吸収しているうちに、日本人っぽさが身についてきているんだと思います。楽曲に関しては、最初に『ONGAKU』で日本の楽曲をカバーしてから、自然とJ-POPの良さがわかってきて、自分のオリジナルの曲も日本っぽくなっていきました。

ーーそれ以外で作り方は変わりましたか?

Matt:だいぶ変わりました。音楽って計算しすぎないほうがいいかなと思っていて、大人になってからは特にこのポイントが理解できてきたような気がします。それまでは、とりあえずいっぱい作ればいい曲に仕上がるという考えがあったんですけど、そうじゃないんだなと。僕にとって、いい音楽はリアルなものという印象が強くて、そのリアルさが反映されていればいるほど、ポップスとして人々の心を打つのだと思っています。

      

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