>  > ゆるふわギャング、HIPHOPシーンへの宣戦布告

ゆるふわギャング『「ゆるふわギャング」でアルバム作る』プロジェクトインタビュー

ゆるふわギャングが突きつけるシーンへの挑戦状「海賊みたいに全部奪って、良いものにしたい」

関連タグ
HIP HOP
RAP
クラウドファンディング
ユニット
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 Ryugo IshidaとSophieeによるユニット・ゆるふわギャングが、CAMPFIREにて『「ゆるふわギャング」でアルバム作る』というプロジェクト(12月1日・23時59分まで)を実施している。同プロジェクトは彼らにとって初となるフィジカルでのアルバム『MARS ICE HOUSE』を制作するためのものだ。最初に公開した「FUCK'IN CAR」など、SNSではすでにAutomaticが手がけるビートに乗る特徴的なフロウと、2人のシニカルながら享楽的なリリックがバズを起こしており、支援総額も11月30日時点で400%を突破するなど、話題を呼んでいる2人。リアルサウンドでは今回、Ryugo IshidaとSophieeにインタビューを行ない、その出自や彼らの楽曲、活動スタンスに迫った。(編集部)

「うちらは最終的にすべてをポジティブに変えていきたい」(Sophiee)

ーーゆるふわギャングが結成したきっかけは?

Ryugo Ishida(以下、Ryugo):自分はもともと茨城でソロのラッパーとして活動していて、『Everyday Is Fliday』というアルバムも出しているんです。で、Sophieeとは茨城から東京にちょっと遊びに来た時に出会って、何気なく曲を作ってるうちに「ゆるふわギャング」という形になりました。それが今年の6月ですね。

Sophiee:出会った瞬間、お互いタトゥーの入っている感じとかも似ているなと思って、いい音楽を作れるかもしれないと感じたし、実際に一緒に制作してみたらバンバン曲ができちゃったんですよ。

ーー初めてお2人のルックスを見たとき「和製ダイ・アントワードみたいだな」と感じたんです。この2人って夫婦なんですけど、RyugoさんとSophieeさんはどういう関係性なんですか?

Ryugo:付き合ってます。

Sophiee: 2人で一緒にいる時間もどんどん多くなってきたので、毎日が曲作りみたいな感じで。遊びの延長線上で曲がどんどん完成していきました。タトゥーに関しても、ゆるふわギャングをやると決まってからお互い彫りあったりしました。

Ryugo:出会った時から結構相性が合うというか、なんでもできちゃう気がするというか。ずっと曲も浮かんで来るし、2人でいると言いたいことがたくさんあって。それをずっと遊びに行ったりしながら曲にしちゃうんです。

ーーRyugoさんは茨城県の土浦市出身で、地元でソロ活動をしていたということですが、どのような経緯でラップを始めたのでしょうか。

Ryugo:中学時代に地元のクラブへ連れていってもらったとき、ディアブロさんのライブを見て喰らったんです。しかも、帰り際に本人から「お前いくつだ?」と話しかけられて、「14です」と答えたら「俺のCDあげるから聴け」と言われて。その日のうちに「自分もディアブロさんみたいになりたい」って連絡したら、次の日に食事へ連れていってもらって、色々と教えてもらったんです。そこから自分たちでYOUNG BLOOD ENTERTAINMENTというグループを作ったり(その後グループ名はCHAIN BLOODに。Ryugoは当時DUDE名義で活動)して土浦でずっと活動してたんですが、先ほども少しふれた『Everyday Is Flyday』というソロアルバムがきっかけになって、ちょっと東京へ出て来るようになったんです。

ーーディアブロさん以外に影響を受けたラッパーは?

Ryugo:本当に最初は音楽のことをよくわかってなかったんですよ。土浦ってちょっと特殊で、アンダーグラウンド系のマイナーなアーティストが多いんです。だから誰に影響を受けたというよりも、地元の先輩たちの活動に喰らいっぱなしなんですよね。ただ、ファッションに関してはZeebraさんの「Street Dreams」のMVを見て、その格好に憧れたりはしました。

ーーSPACE SHOWER TVで放送された『Black File』(現在YouTubeでも公開中)では、Ryugoさんのハードな半生が明かされていますよね。バーカウンターで並んでたら瓶が飛んできたとか、今時珍しい環境だなと感じました。

Ryugo:だからこそ、どんどんクラブから若い子は居なくなりましたけどね。自分自身もやさぐれた時期もあったし。でも、その経験があったから「暴力では何も生まない」と気付いたし、ネガティブな気持ちやネガティブな環境にいると、どんどん悪いものを引き寄せちゃうんです。誰かしらが抜け出さないと救ってあげることもできないし、俺が救う側にならないとダメだなと思って。だったら遊びながら面白いことやってた方がいいんじゃないかと感じたし、自由にやりたいことやってる方がいいのかなと。

ーーでは、Sophieeさんのルーツはどこにあるのでしょうか。

Sophiee:地元は東京なんですけど、昔からよくツルんでいた友達にラッパーが多くて。東京は色んな地域から人が来るので、地元とかはあんまり関係ないですよね。だから色んな人と関わりがあって、結構顔見知りも多かったんですけど、そこから集まった友達に「ラップやってみれば?」と言われて。やってるうちにどんどん面白くなり、本格的に活動しようと思って、5年前に高校も中退しました。

ーー「ゆるふわギャング」という名前はどこから出てきたんですか?

Sophiee:私がRyugoくんのラップを聴いて「ゆるふわだな」と思ったのがきっかけですね。今まで聴いてたのがゴリゴリのラッパーばかりだったんですけど、Ryugoくんのラップは自分のダサいところも笑いに変えていたりして。それと、2人にはタトゥーも入っているし、ギャングという言葉も流行っているから「ゆるふわギャングにしよう」と提案したんです。ほぼノリみたいなものですね(笑)。

20161201-yurufuwa3.jpg

ーーフロウが特徴的だなと感じたんですけど、ふわふわして緩やかなフロウって、KOHHをはじめとした日本語ラップの中でも先端的な表現のひとつといえますよね。そのあたりは意識していますか。

Ryugo:自分はヒップホップというより、ザ・ブルーハーツや尾崎豊、GOING STEADYに影響を受けていますね。リリックも彼らに影響を受けていて、書いていたらいつの間にかこういう風になっていたんです。ラップだと、海外のアーティストにインスピレーションを受けることはありますけど、日本は特にないかもしれないですね。

ーー Sophieeさんもリリックは自分で?

Sophiee:はい。私はお手本にする人が全くいなくて。ただ、海外のアーティストをよく聴いているので、そのフロウが頭に残っているのかもしれません。カントリーやニルヴァーナ、ハウスとか色んなジャンルを聴いているんですが、基本的には車の中で気持ち良く聴ける音楽を重視しています。

Ryugo:Automaticさんが作ったビートを聴くことも多いんですよ。というか、基本的にリリックを書くのがドライブ中なんです。2人で海や山へ遊びに行った帰りにパーキングに車を停めて、すぐに曲を書いて、歌いながら帰ってレコーディング、という繰り返しで。最初に『Everyday Is Fliday』を出した時は、フロウやリリックで悩むことはありました。でも、アルバムを出して、東京に出てきた時にそれまで大事にしてきた色んなものがなくなってしまったように感じたことがあって。そうやって空っぽになった時、改めて「ありのままの自分でいいんだ」と思ってからは、何も考えることもなく、2人でドライブして見たもの・感じたことを、ありのまま言葉にすることを始めたんです。先日発表した「Dippin’ Shake」もそんな感じで。2人でお台場へ海を見に行ったんですけど、ポケモンGOをやってる人がすごくたくさんいたし、ゴミのポイ捨てもすごく多くて。こんなに海もあるし、夜景も綺麗なのに、それに目もやらずに歩いている若者たちを見ていたら、突然雨が降ってきて「空も泣いてるな」とすごく悲しい気持ちになって、その気持ちを曲にしようと思ったのが「Dippin’ Shake」です。

Sophiee:リリックにシェイクとポテトが出て来るのは、私が昔から習慣的にポテトをシェイクにつけて食べるからなんです。その日も悲しくなって、マックで食べたポテトとシェイクがいつも以上に美味しく感じて、「この人たちは多分こういうのにも気づかないんだろうな」と思ったからフックに使ったんですよ。ただ、悲しい曲というわけではなくて、うちらは最終的にすべてをポジティブに変えていきたいと思っていて。

Ryugo:「ゆるふわギャング」というこの名前も思いつきではあるんですけど、自分の中では後付けで意味も込めていて。地元にはギャングが多かったんですけど、思考がネガティブな人ばかりだったんですよ。だけど俺たちはポジティブな音楽を発信し続けていて、救ってあげたいという思いもあるから、一番のテーマは「LOVE」なんです。

ーーAutomaticさんとはどのように出会ったんですか?

Ryugo:自分が20歳くらいの時に、後輩たちにヒップホップを教える場所があればいいなと思って、土浦に『YBC』という古着屋を出したんです。それくらいのタイミングでBIGSCOREというクルーにいるAutomaticさんのことを知って、自分の方から「売れたいんでビート作ってくれないですか?」と直談判しました。そこからずっと今まで作り続けてくれてるんです。

ーーCAMPFIREでクラウドファンディングを始めて以降、2人の楽曲も話題になり、すでに3倍以上の支援が集まるなど、盛り上がりを見せています。なぜ今回クラウドファンディングに挑戦しようと思ったのでしょうか。

Ryugo:もともとは違う目的のためにクラウドファンディングを使おうと思っていたんですが、どういう風にしていいかもわからなかったし、まずは分かりやすいものとして、2人のアルバムを作るべきだと考えて始めたんです。でも、ここまでの反響は想像していなかったので、自分たちでも結構びっくりしちゃって。

Sophiee:最初は目標金額が30万だったんですけど、少し怖くなって20万に下げちゃったんです(笑)。

Ryugo:CDもMVも作れるし、いままで自主でやってきて、色んな人たちに助けてもらっていた部分も、しっかり仕事としてお願いできるのは嬉しいし、まだ先のことだと思っていた理想がどんどん前倒しで形になって、次の目標もできました。

Sophiee:支援してくれた人にも音楽で倍にして返したいし、納得させたいし、買ってよかったって思ってもらいたいよね。

     
  • 1
  •  

「ゆるふわギャングが突きつけるシーンへの挑戦状「海賊みたいに全部奪って、良いものにしたい」」のページです。HIP HOPRAPクラウドファンディングユニットの最新ニュースで音楽シーンをもっと楽しく!「リアルサウンド」は、音楽とホンネで向き合う人たちのための、音楽・アーティスト情報、作品レビューの総合サイトです。

表示切替:スマートフォン版 | パソコン版