“2.5D”というメディアが繋いだ越境的な音楽 主催イベント『GIRLS DON’T CRY vol.3』レポート

『GIRLS DON’T CRY vol.3』レポート

 5月11日、渋谷WWWにて『GIRLS DON’T CRY vol.3』が開催された。

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仮谷せいら。

 同イベントは、これまでDAOKO、さユり、livetune+など多くの女性アーティストが出演しており、今回は、2011年5月6日第1回目の放送開始から今年で5周年を迎えるソーシャルTV局「2.5D」が当サイト「Real Sound」と共同開催したもの。ステージではORESAMA、あっこゴリラ、仮谷せいら、CICADA、H△Gの5組がパフォーマンスを繰り広げたほか、イラストレーター・loundrawがデジタルライブペイントを披露したり、幕間にはラウンジでトークイベントが行なわれた。

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仮谷せいら。

 イベント冒頭、オープン時刻からメインフロアではloundrawによるデジタルライブペイントが進むなか、MCのアリスムカイデに紹介され、1番手として、tofubeatsとのコラボレーションや良質インディーレーベル<PUMP!>からのリリースなどで幅広いリスナーから支持を集めるシンガーソングライター・仮谷せいらがステージに登場。序盤は「Hopper」、「ニコイチ」と、最新作の2nd E.P. 『Nayameru Gendai Girl』からの楽曲を続け、3曲目には自身が作曲も手掛けたアーバンな音色の「大人になる前に」を歌い上げた。その後は「フロアの隅で」、「Walk This Way」と切なげな楽曲で大人っぽい一面を見せ、ダンサブルな曲調の「MYC」では、観客も心地よさそうに体を揺らすと、最期は彼女の持つ爽やかなキャラクターが存分に発揮された「Nobi Nobi No Style」を歌唱し、ステージをあとにした。

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CICADA。

 2番手のCICADAは、アブストラクト・ヒップホップとインディーR&B、そして90年代のJ-POPがクロスオーヴァーしたようなサウンドが特徴の5人組。まずは楽器隊のジャジーな演奏をバックにゆっくりと城戸が現れ、4月にリリースした最新EP『Loud Colors』から「No border」をコール&レスポンスとともに歌い上げてライブをスタート。続けてカットアップされた打ち込みトラックと人力のミニマルなビートが絡み合う「Colorful」や「stand alone」、「Bomb tracc」を披露した。ここで城戸は「初めて見たとかそうでないとか、好きとか嫌いとか、そういうものをぶっ壊していきたい」とMCで熱く語り「アウトライン」を演奏。CICADAの楽曲はヒップホップとソウル、クラブミュージックの要素を上手くミックスした演奏も聴きどころのひとつだが、城戸のパワフルなボーカルが“歌もの”としての魅力を加えていることで、ジャンルの垣根を壊すポップスとして機能していることも記しておきたい。

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CICADA。

 7曲目にはそんな彼女の歌を前面に出した「閃光」をパフォーマンスすると、最後は城戸が「昨年自主企画をやったときは広い場所だと思った。あのときも今も沢山の人に音楽を届けたくてここまできました。ワンマンも最高のパフォーマンスをするので是非来てください」と語り、Nujabesを彷彿とさせるようなトラックと城戸のボーカルに、プレイヤー陣が力強いバックコーラスで応える「YES」を演奏した。

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H△GとORESAMA。

 CICADAの出番が終わると、ラウンジではトークセッションの第一弾として、H△GのChihoとShoko、ORESAMAのPONとKOJIMAが登場。以前の取材でPONは「H△Gのライブを見たい」と言っていたことから実現したこの組み合わせについて、ChihoとShokoは「なんとなく読んでいたら自分たちの名前が出てきてビックリした」と恐縮。2人はORESAMAのライブにおける魅力について、「PONちゃんの声が可愛いのと、気分がワクワクする感じ」と語ったり、互いの新曲について軽快なトークを繰り広げた。

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