BAND-MAIDが明かす、“ギャップのある音楽”を作り続ける理由「バンドとして“世界征服”したい!」

BAND-MAIDが明かす海外進出の野望

 メイド服を身にまとった女性5人組ロックバンド、BAND-MAIDが通算3枚目のミニアルバム『Brand New MAID』でついにメジャーデビューを果たす。メイド服というアイドル的なヴィジュアルながらも彼女たちが鳴らすのは豪快なハードロックサウンド。そこに陰と陽を感じさせるツインボーカルを乗せることで、独特な世界観を構築することに成功している。

 現在では国内のみならず海外でも「お給仕」(=ライブ)を行い、世界各国に「ご主人様・お嬢様」(=バンドのファン)を増やし続けている彼女たちはどのようにしてBAND-MAIDを結成したのか。インタビューではバンドの成り立ちや5人の音楽的ルーツ、そしてメジャーデビュー作に込めた思いを聞いた。(西廣智一)

「ギャップを大事にしていこう」(MIKU)

ーーまずはバンドのコンセプトについて聞かせてください。メイド服でバンドというのは、これまでありそうでなかったスタイルですよね?

MIKU-小鳩ミク-(G, Vo/以下、MIKU):そうですね。私はもともと秋葉原のメイド喫茶でメイドさんをやっていたんですけど、あるとき音楽活動をやりたくなって「メイド服でバンド=BAND-MAID」を作ろうと思って始めたんです。正直、後になって周りから「今までありそうでなかったよね?」と言われて「ああ、確かに!」って気づいたくらいでして。

ーー日本発祥のメイドカフェって、今では海外で人気のジャパニーズカルチャーのひとつですが、そこにバンドカルチャーを結びつけようとする人がいなかったのが不思議ですよね。

SAIKI-彩姫-(Vo/以下、SAIKI):それがここにいたんです(笑)。

他のメンバー:(笑)。

ーーMIKUさんはそれまでバンドでの活動経験はあったんですか?

MIKU:よくライブを観には行ってたんです、自分でやったことはなくて。

AKANE-廣瀬茜-(Dr/以下、AKANE):私とMISA以外の3人は、本格的なバンドはBAND-MAIDが初めてなんです。

SAIKI:でもレコーディングでは実際に演奏してますし。特にお給仕(ライブ)でちゃんと演奏してる姿を目にしてビックリする方も多いしね。

MIKU:そういうギャップを大事にしていこうってことは、最初から話してました。

ーーメンバーはMIKUさんが勧誘したんですか?

MIKU:そうです。最初はKANAMIに声をかけて。彼女はシンガーソングライターとして活動していて、ネット上に「弾いてみた動画」をアップしていたんです。それを観て「BAND-MAIDってバンドをやりたいんだけど、よかったら一緒にどう?」ってスカウトして。

KANAMI-遠乃歌波-(G/以下、KANAMI):まず音源を聴いてカッコいいなと。メイド服というコンセプトも聞いてたんですけど、高校生のときに文化祭でメイド服を着て歌ったりしていたので、あまり抵抗はなかったんです。声をかけてもらった頃はシンガーソングライターとして活動していたけど、本当はあまり歌いたくなくて(笑)。ギター1本で勝負したい気持ちが強かったので、「やります!」って即答しました。で、「ドラムとベースいない?」って聞かれて、ソロでやっていたときにサポートで叩いてもらっていたAKANEに話を振って。

AKANE:私はその話をもらってから、以前通っていた音楽の専門学校で一緒だったMISAに声をかけて。なので楽器隊は横のつながりでポンポンポンと決まったんです。

MIKU:ひとり捕まえたら全員見つかった(笑)。

KANAMI:1ヶ月以内に決まったよね。

ーーAKANEさんとMISAさんは、メイド服を着ることに対してはどう思いましたか?

AKANE:まぁ最初は抵抗ありますよね(笑)。でも、まず音を聴いて「おお、カッコいい!」と思ったのが大きくて。そんな音なのにメイド服というギャップが斬新だし、単純に面白いと思ったんで受け入れました。

MISA(B):同じく(笑)。

「こんな偏ったコンセプトとはつゆ知らず」(SAIKI)

MIKU:で、最初は4人で活動してたんですけど、もっと重い音にしたいのに私の声がちょっと明るめなので、雰囲気を重くしてくれる声が欲しくなって。そこからツインボーカルにしたらいいんじゃないかってことで、同じ事務所で偶然ひとりで歌をやっていたサイちゃん(SAIKI)に「ちょっと衣装がカワイイけど、すごくカッコいいロックを歌うんだよ!」って衣装のことを隠して誘ったんです。

SAIKI:こんな偏ったコンセプトとはつゆ知らず(笑)。みんなは私が絶対にメイド服を着ないと思ってたみたいで、断られないように事後報告にしたみたいで。

ーーでも言ってることは何も間違ってないですものね(笑)。

SAIKI:はい(笑)。だから最初にメイド服を見たときは、「……聞いてないぞ?」って同様して。でも「『カワイイ服』って言ってたじゃん?」って返されて、「確かに」と。とはいえ音はカッコいいし、こういう曲を歌いたいなと思ったので、参加を決めました。

ーー皆さん、最初はカッコいい音に惹きつけられたわけですね。

MIKU以外のメンバー:そうです。

ーーそれが2013年のことで、翌2014年に最初のミニアルバム『MAID IN JAPAN』をリリース。その後お給仕を精力的に行っていくわけですが、当初はどういったアーティストと共演してましたか?

MIKU:最初の頃はガールズバンドさんやアイドルさんと一緒にやったりしてたんですけど、今はジャンルに捉われずいろんなバンドさんと共演できていて。BAND-MAIDってどこにも当てはまらない独自のスタンスだから、どこにでも出ていけるんです。

ーー実はそこって、このバンドの最大の強みだと思うんです。

AKANE:そうですね、強いと思います。

MIKU:見た目からも中身からも入れるようにギャップを大事にしていきたかったので、逆にそこを強みとして最初から打ち出してました。

SAIKI:実際に見た目で入ったのに、お給仕を観て重いサウンドにハマってくれた人も多いですし。

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